お悩み社長
2022年1月からバトンズ(Batonz)が支援専門家の手数料を一部無料化しました。
「それはつまり、M&Aが安くできるってこと?」
と思った方、バトンズは元々売手手数料無料なので、売手会社オーナーにはあまり関係なさそうな話ですが、間接的には影響あるかもしれないので取り上げてみます。
また、最新のM&Aプラットフォーム情報のまとめもついでにできればと思いますので、「これから買手を探そう!」っていう方も是非最後までお読みいただければ嬉しいです。
それではいきましょう!
M&A仲介会社とM&Aプラットフォームの違い
まずはおさらいです。
今回は「買手を探す」という目的だけで使うM&Aプラットフォームの話をします。M&A全部を任せるM&A仲介会社とは全く別ものなので混同しないようにしてください。
たまにM&Aプラットフォームのホームページとかに「仲介会社の手数料と比較して安い・・」みたいなことが書いてありますが、仲介会社というのは買手探し以外にも色々な業務(両者面談への同席や契約書回りなど)があるので、単純に比較できません。
詳しくはこちらをご覧ください。

今回の話については、「M&Aは自分でつもりだから、自分で買手を探してみよう!」という方か、もしくは、「自分が依頼した仲介会社がM&Aプラットフォームで買手を探す」という方が関係する話なわけですね。
主なM&Aプラットフォームの一覧
M&A業界である程度知名度や規模が大きいプラットフォームをまとめます。
毎度字がちっちゃくてすみません。。(クリックすると拡大できます)
ある程度の規模があるプラットフォームでないと、売手が案件を掲載しても全然買手が見つからないので、とりあえず見ておくのはこのくらいのプラットフォームでよいです。
これらのプラットフォームを比較する際、売手として知っておかないといけないのは次の4点です。
・売手の手数料がかかるかかからないか
・買手の数が多いプラットフォームか
・買手の負担があるかないか(無い方がその分譲渡価格アップを交渉しやすい)
・仲介会社がプラットフォームを使うと費用が発生するか
売手の手数料が安い、とか、買手の数が多いとかは当たり前かと思います。
幸い、売手は無料で使えるところがほとんどですし、買手がめちゃくちゃ多いプラットフォームは高いとかでもなく(むしろメジャーどころでもきちんと価格競争している印象です)、売手的には選びやすいかなという感じですね。
買手の手数料が安いというのも重要です。買手は「プラットフォーム利用料+買収価格」の合計が用意すべき買収資金なので、ある意味プラットフォーム利用料が安く済めば買収価格を多少上げる余力はでます。
なので、売手としては買手の手数料が安いプラットフォームで買手と出会えれば価格交渉しやすいってことです。
最後に、仲介会社が払うプラットフォーム代金もみておきましょう。
これは、売手が仲介会社を使うパターンで、売手の代わりに仲介会社がプラットフォームを使って買手を探すケースです。
売手と仲介会社は仲介契約で仲介手数料を取り決めしていると思うので、どのプラットフォームを仲介会社が使おうが関係ないように見えます。
ただ、買手探しを始める段階では、仲介会社は買手企業と仲介契約を結んでいないので、仲介会社が買手側の仲介手数料をプラットフォーム代だけ上乗せするケースがたまにあります。
・・・ということは、上でも記載した買収資金の内、プラットフォーム利用料が高くなるので理屈としては買収価格が減ってしまうということですね。ゆえに、売手にとっても受け取る金額が減ってしまうということです。
是非、こちらの表で比較しながら使用するプラットフォームを考えていただければと思います。
(記事の最後に各プラットフォームについて筆者の意見も書いておきますので興味ある方はご参考ください)
バトンズが仲介会社向け手数料を安くなったらどうなるの?
今回、バトンズの仲介会社向けの手数料が大幅に下がりました(バトンズで見つけた顧客からの手数料の30%→無料)。
これはつまり、仲介会社を使っている売手としてはこんなメリットがあるということです。
・仲介会社がバトンズを使いやすくなることで、買手が見つかる可能性が上がる
・バトンズ経由の買手からの提示価格が多少上がる可能性がある
筆者的には今回の変更はとても良い変更と感じます。
中小企業のM&Aは買手が見つからないというのがネックだったりもするので、1つでも気軽に使える良いプラットフォームが増えることは嬉しいことです。
バトンズは他のプラットフォームと比較して「仲介会社向けに商売している感」が結構あるのと、運営母体が日本M&Aセンターという仲介会社でもあるので、毛嫌いする仲介会社も多かった印象がありますが、多少変わっていくことが期待できるかもですね。
とは言え、客観的には最安とまでは言えないので、案件の規模なども含めて冷静に検討していく必要があります。
最近、売案件の獲得競争が激化しているような印象はあったりするので、これからも売手・買手・仲介会社にとって利用しやすくなっていくといいなぁと筆者は思います。
本当に使うべきプラットフォームとその理由
色んなサイトで「おすすめのプラットフォーム」などが書いてあったりしますが、あまり実務を知らない人が書いている印象もあるので、実際に買手探しで多用している筆者の独断と偏見で本当に使うべきプラットフォームをまとめてみます。
上の表の№①~⑤だけ使えばOK(⑥⑦及び表に無いプラットフォームは無視してOK)
理由としては、除外したプラットフォームは「規模が小さい」か「規模の割に手数料が高いから」です。
規模の小さいプラットフォームに価値はありません。また、買手を探すだけのプラットフォームで5%とか普通の仲介会社並みの手数料を取るのはどう考えても高いです。
④のM&AクラウドはIT系の会社で決まらない場合のみ使用
M&Aクラウドも買手を探すだけのプラットフォームとしては手数料が高いです。
IT系の人気業種(ソフトウェア開発業など)であれば、①②③⑤でも引っ張りだこになるくらい引き合い来るので、よほど価格目線が高いとか財務状況が悪いとかでなければ買手は見つけられると思います。
また、比較的業種を絞っているプラットフォームなので、IT系など以外であれば買手が見つけにくいはずなので、あまり利用する意味はないでしょう。
①②③⑤は優先順位をつけて案件掲載
買手企業は複数のプラットフォームに登録しているケースもあるので、そういう買手にはできるだけ手数料の安いサイトでマッチングした方が良いです。
なので、買手も含めた手数料が安い順で登録するのが王道です。具体的には①⇒③の順で登録し、これで決まらなかったら②と⑤を追加するという流れです。
買手の客層やサイトの仕組みとしては、①トランビと⑤バトンズが類似しており、③マホロバと②ビズリーチサクシードが類似しています。それぞれの補完として使うイメージでもよいかもしれません。
①のトランビについてはこちらに登録の仕方を図解していますので興味のある方は参考にしてみてください(ページ中盤以降に記載)

なお、これらのプラットフォームの評価は今後の動向を見て変えることもあります。「どれが売手・買手にとって客観的にメリットあるプラットフォームか」を基準に評価しますので、今後も参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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