無料相談 好評受付中!

「M&A一括見積の窓口」 ってどうなの?評判・注意点は?

お悩み社長

M&A仲介会社を探す時に、一括で見積が取れるサイトもあるらしいけど実際どうなの?

 

お盆休みもあってネットで色々検索される方も多いと思いますが、最近「M&A一括見積の窓口」の広告を良く目にする機会が増えたように思います。

 

・・・これは筆者がM&Aのことばかり検索しているからなのかもしれませんが(笑)

 

でも、どの業界でも●●の窓口という名前のサービスが流行っています。

 

「比較したいなと思いつつも、色々自分で調べて見比べるのは大変だなぁ」、という消費者心理に上手く刺さるサービスといえるかもしれません。

 

でも、筆者が見た感じではちょっと売手にとって危険性もあると感じました。

 

今日はM&A仲介会社を一括で比較できるという「M&A一括見積の窓口」に注目して、その注意点などを同業者(M&A仲介者)の目線で解説できればと思います。

 

それではいきましょう!

 

 

「M&A一括見積の窓口」ってどんなサービス?評判は?

 

「M&A一括見積の窓口」は仲介会社を一括で比較できるというサービスです。

 

株式会社つなぐコンサルティングという会社が2021年4月からスタートした、会社を売却しようと検討している売手向けのサービスです。

 

一括で複数のM&A仲介会社から売却想定額や提案内容を受取れるというもので、売手が仲介会社を比較する際に利用するようなイメージです。

 

売手は「M&A一括見積の窓口」にではなく、仲介会社に通常通りの仲介手数料を支払う構図になります。

※「M&A一括見積の窓口」側は各仲介会社に紹介することで紹介料をもらうことで運営されているようです

 

 

「M&A一括見積の窓口」はまだ新しいサービスということもあってか、世の中の評判・口コミまだあまりありません。

 

仲介会社などではアプローチの仕方や契約の取り方で悪評が立ったりというのが多いですが、「M&A一括見積の窓口」はリスティング広告などWebでの集客が多い印象なので、電話やDMをたくさん送り付けるといったような形跡は見られませんでした。

 

おそらく、「M&A 見積」みたいな検索をする人をターゲットにネット集客をしているものと思われます。

 

売手と買手をマッチングさせるM&Aマッチングサイトは乱立している感じですが、こういった比較代行サービスも今後たくさんできるかもしれません。

 

他には、株式会社ユニラボが運営する「アイミツ」などでもM&A仲介会社の一括見積ができるようです。

 

 

注意すべきポイント

 

こういったサービスは便利な反面、使う際は色々と気を付ける面も多いと思います。

 

あくまで筆者(M&A仲介者)の見方になりますが、ちょっと気になる点を挙げてみます。

 

仲介会社が意図的に高い売却想定額を出さないか

「一番高く売却してくれる仲介会社を探せる」というメッセージをかなり打ち出しているので、高い想定売却額を出す仲介会社の方が良いと勘違いしてしまう人が出る可能性が高いです。

 

まず結論から言うと、初期段階で仲介会社が試算する株価算定は、買手に情報を出して価格を調べている訳ではないので、各社に株価算定を出させても正確な株価なんてわかりません。

 

むしろ、介会社が恣意的に出した株価を基準に、誤った仲介会社選びになってしまう可能性がとても高いように思います

 

上場している仲介会社だから、会計士が在籍している仲介会社だから正確だろう、、なんてことはないです。むしろ、厳しい営業ノルマが課せられるM&Aコンサルタントなので、多少高めに株価を出して売手の気を引く動機付けがあると考えるべきなのです。

 

実際、明らかに高い企業価値算定を売手に出して営業している仲介会社がかなり問題視されています。

 

売手は基本的に高い企業価値算定を出した先を選びたがる傾向があることはどの仲介会社も知っているので、その心理を仲介会社が営業的に利用し、わざと高い企業価値算定を出して気を引き、案件受託まで持っていくという手法です。

 

ここで、仲介手数料が高いけど高い企業価値算定の内容通りに売ってくれるなら、と売手は高額な仲介手数料を了承します。

 

そして、仲介会社は仲介契約締結後、「やっぱりこの希望金額では買手が付かないです」と後から希望金額を引き下げさせるように言ってきます。

 

既に色々な資料を提出していたり、買手を探し始めていたり、仲介契約を締結している関係上、売手はその状態で一から他の仲介会社を探そうとするのではなく、なし崩し的にその仲介会社に希望金額を引き下げて買手を探すよう依頼してしまう、という流れです。もちろん高額な仲介手数料は変わらず。

 

始めからこの展開になることを予見しているのにも関わらず、見せ球として高い企業価値算定を出す悪質な仲介会社もいます。仲介手数料が高い仲介会社は待っているだけだと案件受託するのが難しいので割とそういう戦法を取ったりします。

(ちなみに、着手金だけ取って「この希望金額では買手が付かなかった」などと結論付けようとする業者もいます。ここまでいくと詐欺ですね)

 

つまり、売手が「嘘か本当か分からない高い想定売却額」を基準に仲介会社選びをすると、こういう不誠実な仲介会社に引っかかってしまう可能性が高くなるということです。

 

買手が出す買取希望金額は確実な情報、仲介会社が出す仲介手数料(最低報酬額を含む)は確実な情報、仲介会社が出す買手の想定買収価格は不確実な情報です。

 

不確実な情報を信じて、確実にデメリットのある仲介手数料を約束してしまう、というのは単に売手としてはリスクを抱えるだけになってしまいます。

 

びっくりするほどM&A仲介会社のモラルは低いのが現状なので、「M&A一括見積の窓口」を利用するのは仲介会社が適当に出した株価に惑わされる可能性も高いので、筆者はあまりこういう仲介会社選びはお勧めしません。

 

高額な企業価値算定を出す会社の危険性についてはこちらもご参考下さい。

「高い株価算定を出すM&A仲介会社には逆に任せない」のが正解な訳

 

企業価値算定の信憑性はどうか

企業価値を算定する上でどの程度情報を出すのか、どのように算定するのかは、企業価値算定の信憑性に大きく関わります。

 

通常、仲介会社は決算書3期と各種ヒアリングを元に企業価値算定を算出します。

 

特にのれんに対する考え方については仲介会社の裁量によるところも大きいので、上記で説明したような「意図的に高い企業価値算定を出す」仲介会社は、のれんの計算を大きく操作します。

 

ゆえに、仲介会社が操作できてしまうのれんも含む企業価値算定の信憑性はあまりないです。

 

過去の成約案件で同じくらいのマルチプルでバリュエーションされた、と過去事例を持ってくる仲介会社もいますが、その事例の売手と今回算定している売手は違う会社なので、同じ業種とはいえ単純に同じような水準で売却できるとは限らないです。

 

「M&A一括見積の窓口」から一括依頼した後に、各仲介会社が買手と話を詰め、その上で売却想定額を出す、というのであれば話は別ですが、仲介会社が買手に売手社名も開示し具体的に話を詰めているというわけでなければ企業価値算定はそもそも当てにならないです。

 

買手は決算内容だけでなく事業上のシナジー効果なども見て買収金額を検討しますが、そもそも仲介会社はシナジー効果を検証して正確なバリュエーションを計算するなんて技術は無いので、その点からも正確な企業価値算定は不可能です。

 

なお、「M&A一括見積の窓口」のHPでは「一般的な売却想定額は純資産+(営業利益+事業外経費)×5年~10年と言われています」と記載されていますが、筆者はこれは高すぎると思います。

 

筆者はかなりの数の買手企業と直接会話してきましたが、人気業種でも中小企業のM&Aで10年分ものせてくれるようなケースはあまり無く、5年でも買手からは「高い」と言われるケースは結構多い印象なので、これが一般的な売却想定額だとするのはやりすぎだと思います。

 

売手としてみたら、「M&A一括見積の窓口」で株価の見積を取ると高い金額が出てきて嬉しい、と一旦はなるかもしれませんが、その後の買手探しで苦労することになるはずなので、なんだか自分で自分の首を絞めにいっている気もします。

 

紹介されるM&A仲介会社がそもそも高額な仲介手数料を設定していないか

この「M&A一括見積の窓口」に登録している仲介会社の数はどのくらいあるのかは気にした方が良いかなと思います。

 

中小企業庁のM&A支援機関数でもM&A業者は2,000社(者)程度います。その母数に比べてどうかという話です。

 

あらゆる仲介会社がみんな登録しているサービス、というわけではないので、この窓口から紹介される仲介会社にも偏りがある可能性もあると考える方が安全です。

 

例えば、この「M&A一括見積の窓口」に登録している仲介会社が最低報酬額が1,000万円以上の仲介会社ばかりだったとします(仮に)。

 

売手の仲介会社を選ぶ基準が「仲介手数料の安さ」で、仲介手数料の安い会社を見つけようと「M&A一括見積の窓口」を介して見積を取っても、普通に考えて1,000万円以上の見積しか出てこないはずです。

 

世の中には500万円でもそれ以下でもきちんと仲介を行う会社はあるはずですが、そういう会社が見えなくなってしまうリスクがある、ということです。

 

「M&A一括見積の窓口」としては、仲介会社からキックバックされる紹介料が多い方が当然よいわけなので、より紹介料が払える高額な仲介手数料を取っているような仲介会社に登録させるバイアスがかかる可能性もあるかもしれません。

 

情報漏洩しないか

詳細情報を出して情報漏洩しないかは心配な方もいるかと思います。

 

「M&A一括見積の窓口」は仲介会社に案件を紹介して紹介料をもらう仕組みなので、運営側が情報漏洩する動機付けもメリットも無いのであまりここは心配しなくてよいかと思いますが、どちらかというと、具体的な企業価値算定を出そうと仲介会社側が売手に黙って買手に話を持っていってしまう、みたいなことの方が情報管理上、心配かなと思います。

 

何という会社名の仲介会社に情報提供するかが事前に分かるのかかどうか、や、仲介会社が売手の会社名を知ってしまう可能性がないか、万一情報漏洩した時に「M&A一括見積の窓口」は責任を負うのか、は注意してみるべきと思います。

※問題のある仲介会社は秘密保持義務を書面で取り交わししていても破って情報漏洩したりもします。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

筆者はこういうサービス自体は否定しませんが、「想定売却金額」で仲介会社を選ぶのはお勧めしません。

 

「高く売れそうだから仲介手数料が高い仲介会社にお任せする」という危険な発想に繋がるからです。

 

仲介者というのは利益相反の観点から買手に価格交渉しませんので、そんな人に高く売らせることを求めること自体間違いです。どんな仲介会社から話を持っていっても、同じ買手なら出てくる条件は一緒です。

 

むしろ仲介手数料が高い仲介会社を選ぶと、その分買手からの提示金額が減り(成約率も下がり)、売手の手取も減ります

 

M&Aいろは塾は、こういうM&A業者が言わないことも正直に伝えるなど、「どういう考え方・姿勢で仲介をするのか」で仲介会社を選びましょう、というスタンスなので、ホントかどうか分からない株価算定でお客さんを集めるみたいなことはしません。

 

仲介手数料についての考え方などもこちらにまとめていますので、ご興味があればお読みいただけると嬉しいです。

「完全成功報酬・固定300万円」M&Aいろは塾がM&Aコンサルティングを安く提供できる訳

 

仲介会社が意図的に高い売却想定額を出さないか問題も、例えば、「想定売却金額」と「実際売却した際の金額」にどれだけ差があったかを開示していく、みたいなことまでされていけば信頼性の高い想定売却金額を売手が受け取れるようになるかなとも思いますので、「M&A一括見積の窓口」の今後に期待もしていたりします。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

筆者へのご相談、記事のご不明点等ございましたら下のお問い合わせフォームよりお問合せ下さい。

お問合せ

    お名前任意
    メールアドレス必須
    お問合せ内容必須
    スパムメール防止のため、こちらにチェックを入れてから送信してください。