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【買手向け】「この会社買収すべき!?」実例で見る譲渡案件の実態

お悩み社長

買手としてM&Aをするときどんな案件が良い?いくらかかるの?

 

巷では、「M&A仲介料が高すぎる」って話を聞いたり、「最近では売手も積極的に交渉してくる」なんて話を聞くと、買手としてどのくらいM&Aにお金がかかるのか心配になりますよね。

 

M&A仲介をしている筆者としても、よくM&Aプラットフォームなんかで「こんな値付けで売却できることはないのにな」とか「この案件でこんなに手数料取るの!?」というような案件を見かけたりします。

 

当たり前ですが、M&Aって売手と買手が折り合う価格でないと成立しないものなので、値付けがおかしい案件は結局成立しないので、売手の為にもならないはずです。

 

それでも売手が夢を見過ぎてしまうというのは、M&Aに対する見識が足りてなかったり、M&A業者が変な事を吹き込んでいたりもするので問題な気がしますね。

 

今日は、M&Aプラットフォームに掲載されている実際の案件を元に、どんな事業がどんな金額で掲載さていて、実際買収しようと思ったらいくらかかるのか解説していきたいと思います。

 

今日は買手向けの記事となりますが、売手側からみてもこういう見方をされるんだなと参考になると思いますので、是非最後までお付き合いください。

 

それではいきましょう!

 

 

M&A案件の実例

 

今日は誰でも案件を見ることができるM&Aプラットフォームの「トランビ」で掲載されている案件をみてみましょう。

 

赤字の焼き肉店

分かりやすい事業をしている例として「焼肉店」の売却案件がありました。

※引用:トランビ「M&A売却案件一覧」

 

筆者も大好きな焼肉ですが、40席前後の焼き肉屋で年間0~500万円の売上ということで、あまり客足は芳しくないお店かと思います。

 

焼肉店は飲食業界の中でも比較的コロナの影響を受けにくかったとは言われていますが、集客が思わしくなく売上が立たないという印象ですかね。

 

売上が低く、赤字にも関わらず1,100万円で売却したい、ということに疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、売手側の心境としては「新規出店するための内装費や設備費用でお金がかかったからそれを回収したい」と思っているはずなので、こういう値付けになっているものと想定されます。

 

トランビの他の案件でも、店舗系の売却案件は新規出店費用の回収を見込んだ値付けになっていることが多いです。

 

さらに、この案件はM&A仲介業者が掲載している案件になっており、成約時に最低手数料200万円が発生するとのことです。この手数料は売手側からも取っていることを考えると、売手の本当の希望価格は900万円かもしれません。

 

買手側としては、譲渡額で1,100万円、仲介手数料で200万円が発生し、他に買収監査をきっちりする場合には数十万円程度発生するとかかと思いますが、事業譲渡でM&Aをするのであれば、消費税もかかりますし、細かいですが事業譲渡契約書に印紙代が発生します。また、テナントの賃貸借契約の引継ぎが発生して家主から別途保証金を積めとか面倒なことになると、予算としてはそれよりも大きくなったりすることもあります。

 

「独自の肉の調達ルートもあるから、これから焼肉屋をやりたい」という方は、設備付きの居抜き物件の確保というイメージで捉えても面白いかもしれませんが、現時点であまり売上が立っていないところをみるとそもそも立地に失敗しているとか、家賃が高すぎてどう考えても採算が合わない可能性もあるので、その辺りは慎重にみた方が良いと思います。

 

中小企業のM&Aでは時価純資産+営業権2~3年という指標が言われたりもしますが、飲食店の場合は売上や収益の上がり下がりが激しいので、のれん代について高く評価されないケースも多く、譲渡資産の時価相当額で譲渡するということもよくあります。

 

この焼肉店の場合は赤字なので、少なくとものれんは評価できず、純資産額(内装設備の時価など)が1,100万円の価値があるかどうかを見ていく感じになるかなと思いますが、時価純資産が1,100万円に箸にも棒にも掛からないということであれば、それをカバーするような他の価値(有形・無形関わらず)があるかをみていく感じになると思います。

 

買手としては、別にM&Aをせずとも一から新規出店をしたり、他のM&A案件で検討する、という選択肢もあるわけなので、広く視野を持つようにしましょう。個人の買手に多いのですが、1つの案件にこだわり過ぎて「M&Aするために買収理由を探す」ということをしだす方もいらっしゃいますので。。

 

換気設備がきちんとされているのであれば、牛肉価格の高騰を踏まえて焼き鳥屋にするとか、少し提供する商材を変えてみるというのもアリかもしれないですね。

 

TKCが公表している各業種別の黒字企業の経営指標などを見ると、黒字の焼肉店がどのくらいの収支バランスを達成しているのかも見ることができますので、買収する際にこのくらいの指標に達することができるかをみてもよいかもしれません。

※引用:TKC「TKC経営指標(BAST)」

 

赤字のスーパーマーケット

九州のスーパーでこんな案件がありました。

※引用:トランビ「M&A売却案件一覧」

 

こちらは先ほどの焼肉屋と違い、売上の割に売却価格が安い案件になります。

 

売却価格が安く見えるのですが、有利子負債が1~2.5億円あるということなので、「借金も引き継ぐから希望価格が低い」案件であると言えます。

 

以前、サラリーマンは300万円で会社を買いなさい、みたいな本がありましたが、買収価格が安くても借金がついてきたら決して安いとは言えないので、負債とキャッシュのバランスもきちんと確認した上で買収しないといけません。

 

この案件で注意すべきなのは、仲介手数料が法外に高いという点です。

 

こちらの案件もM&A業者が掲載している案件で、掲載されている情報では、以下の通り最低報酬で2,500万円を徴収するようです。

※引用:トランビ「M&A売却案件一覧」>【九州/業歴40年超】地域密着型スーパーマーケット

 

買収価格は3,000万円にも関わらず手数料で2,500万円というあり得ないバランスでの設定ですが、一部の仲介会社では最低金額として徴収しています。しかも、売手からも同額の手数料を取るはずです。

 

まさに、M&A業者が稼ぐだけの案件といえます。

 

おそらく売手は「借金が無くなれば手元にお金が残らなくてもいい」と言っているけど、売手が仲介会社に最低でも2,500万円支払わないといけないから3,000万円になっていると想像できます。

 

そもそもこういう業者を使わなければ売手と買手で合計5,000万円も無駄な費用がかからないので本来成約する可能性はもう少し高かったわけですが、売手が専任で変な業者を選んでしまったことで自ら成約の可能性を低くしてしまっていると言えます。

 

売手が特定の仲介会社を専任で使っている以上、買手はM&A業者を選べないことになるので、なおさら売手がどの仲介会社を使うかが重要になってきますね。買手としては、買収金額であれ仲介手数料であれ買収資金としては一緒なので、総額でみて買収するだけのメリットがあるかをみていくだけで問題ありません。

 

この案件の場合、買収価額が3,000万円と仮定すると、手数料で2,500万円発生し、計5,500万円の費用が発生します。株式譲渡の場合は印紙代などはいらないので、買収監査の費用数十万~と役員変更登記などの登記費用が発生する感じになるかと思います。

 

スーパーについては、そのスーパーの商圏内にどのくらいの人口がいる(減っているor増えている)のか、競業店舗はどんなところがあるのかなどが重要になってきます。

 

地方都市は人口減少のあおりを受けやすいですし、PB商品で利益が取れるチェーン店との競争にさらされているので、異業種から簡単に参入できる事業ではないのですが、運営ノウハウがある同業が買収して黒字転換を目指すのが一般的かなと思われる案件です。

 

また、中小規模のスーパーの場合は品ぞろえを確保するためにボランタリーチェーンに加盟していることもあるので、買手が「取扱い商品を絞って専門性を出したい」と思っても思わぬ制約を受けるケースもありますし、過疎地域でも周辺住民のライフラインには必須だったりもするので、あまり尖った店舗戦略は周辺住民に受け入れられないこともあります。

 

たまにですが、古いスーパーでは旧式の酒販免許を持っていたりもすることがあり、酒類の通販に利用できる可能性などもあったりしますので、許認可関係も確認して何か活かし方はないのかを探るのも良いかもしれませんね。

 

プラスチック製品製造業

製造業ではこんな案件がありました。

※引用:トランビ「M&A売却案件一覧」

 

場所はよくわかりませんが、東大阪感がある案件ですね(笑)

 

射出成型でプラスチック製品を作るような会社です。

 

基本的にこの手の事業は設備商売なので、固定資産が大きいことが多いです。借入で設備投資する会社も多いので、借入金が大きくなっていないかどうかはとても重要です。

 

純資産額で1~2.5億円で希望価格が7,000万円となっているので割安に見えますが、会社保有の不動産に含み損がないか、設備機械をきちんと減価償却されているかなどはきちんと時価ベースでみましょう。

 

この手の会社を買収するのは同業か関連業種がほとんどだと思います。

 

同業で生産キャパを必要としている会社や、製販一体で事業運営を目指している会社や、金型を作っている会社などはM&Aをすることでシナジー効果もあるような気がします。

 

一方で、今行っている仕事が単価の安い仕事だったりすると収益力強化のために顧客の入れ替えなんかも必要になってくる可能性があります。

 

職人気質の社長で営業は苦手というケースもよく見られますので、買手側の営業力でそれが補填できると分かりやすいシナジーになりますね。

 

中には「俺はそんな仕事したくねぇ」みたいな社長もいて、M&A後に揉めるケースもあったりしますので、M&A検討段階で相性が合うかを見定めることはとても大事です。

 

あとは、作っている製品によってはいきなり生産終了できないようなものもあったりするので、長期で供給しないといけない契約などが存在するかもきちんと確認しておくとよいでしょう。

 

この案件は、基本合意で100万円、最低報酬で1,000万円ということなので、希望金額の7,000万円で買収する際には、8,100万円に買収監査費用や役員変更登記などの登記費用で数十万~を見込んでおきましょう。

 

ちなみに買収する会社に現預金がある場合は、それを退職金として払い出して、その分譲渡金額を下げることもできるケースがありますので、手出し金額を減らせる(もちろんその分買収会社の現預金が減る)ことができたりします。買収時の手出し金額を抑えたい、という買手の場合は、こういう方法も検討してもよいと思います。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回紹介した案件はM&A業者が掲載している案件ですが、直接売手が掲載している案件もあります

 

そういう案件はもちろん仲介手数料がかからないですが、相場が分からないためにめちゃくちゃ高かったり安かったりということもあります。

 

先程紹介した譲渡価格3,000万円なのに手数料2,500万円みたいな案件は、間に入っているM&A業者が売手側の希望金額も上げている可能性もあるため、手数料含めて考えるとどう考えても高いことが多いです。興味がありそうな案件であったとしても、ご縁が無かったとして見送るのも一案だと思います。

(このM&A業者が相手を探せなければ、もう少し手数料の安い他の仲介会社を使って買手を探し始めることも実際にはあります)

 

買手側の予算に応じた案件の選び方などもありますので、個別に質問がございましたら下のお問合せフォームよりお気軽にお問合せください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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