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「M&Aと同時に社長を退任したあの会社の事情」メリットも解説

お悩み社長

よくM&Aをしたら社長が変わるけど、絶対社長を辞めないといけないわけではないよね?

 

M&Aをすると多くの会社で社長は退任し、会長になったり、あるいは、顧問という立場になります。

これは何か決まりがあるわけではなく、それぞれのメリットを考えるとこの形が一番ちょうどよいというだけの話です。

 

今日はM&Aを行うにあたり、なぜ社長を退くのか、そして、そのメリットについて説明していきたいと思います。

 

本日の内容をお読みいただきたい方

・これからM&Aをしようとしている売主の方
・M&Aをしても社長は存続したいと思っている方
・M&Aをするときに最大限税メリットを得たい方

 

それではいきましょう!

 

なぜM&Aをすると皆社長を辞任し、役職が変わるのか

 

株式譲渡を行うケースのM&Aは、会社の株式を売買することによって、株主を変更し、経営権を異動させるものです。

 

もちろん、取締役というは株主が選任するものなので、M&A以降は新しい株主の意向次第で取締役は一新させることはできます。とはいえ、M&Aそれ自体が役員を変更させるものではありません。

 

役付けが変わる背景を、次のような事例を基にご紹介しますので、水面下で動くM&Aの様々な事情をご理解いただければと思います。

 

元々の代表者が代表取締役社長を退任し、取締役会長に。そして、買手企業から新しい代表取締役が就任する場合

これは事業承継系のM&Aでよくみられます

元々の代表者が長年会社を引っ張ってきた事情を考慮し、元々の代表者をリスペクトしつつ、取引先や従業員などへの影響を出さないように、「社長」よりもえらい感じのする「会長」に据え、代表権は外すということが良くあります。

この体制の場合、新しい代表取締役のもと、新しい体制での経営がなされます。そして、頃合いを見たタイミングで会長が退任しているケースも多いです。

 

元々の代表者が代表取締役社長を退任し、顧問に。そして、買手企業から新しい代表取締役が就任する場合

これも上記の例と事情は同じですが、「会長」ではなく「顧問」という肩書になっています。

このようなケースは、元々の代表者がガッツリ会社に関与せずとも運営できるようなコンディションである場合や、元々の代表者が役員で残ることを謙遜したり、「譲渡したら少し会社と距離を置きたい」という希望があった場合であることが多いです。

この体制では、おそらく元々の代表者が顧問として関与するのは半年~1年くらいが多い気がします。

 

元々の役員構成は変わらず、新たに監査役などの役員が増員される場合

これは、会社の業績が良く、経営者がまだ若いケースや気力が十分あるケースでみられる体制です。

そもそも会社を売却する理由が、「事業拡大のための支援を得る」とか「一旦創業者利益を確保しておきたい」というものが多く、買手としては、その会社を引き続き同じ社長が運営し、利益を出してくれることを期待しています。

役員が増員されるケースもあるのですが、これは取締役会を買手側の人間でコントロールしやすくする、という意図であることが多いです。結局は買手が株主なので、取締役会もコントロールはできますが、念のためにという感じですね。

 

このように、役員の動きを見ることで、なんとなくM&Aの検討中にどんな議論がなされたのだろう、という垣間見ることもできます。

 

M&Aのタイミングで社長を退任すると得られるメリット

 

M&Aで株式を譲渡する際、社長を退任するのは税メリットの観点からもとても有意義です。

 

M&Aでは、株式をいくらで買い取るか、という交渉がされるのですが、その交渉と同じ土台で、元々の代表者の退職金も交渉されることが一般的で、株式譲渡価格と退職金をどういう比率でもらうかというのも当事者間でコントロールできたりします。

 

例えば、会社の価値が1億円の会社があったとして、この会社のオーナー(株式保有割合:100%)が会社を売却しようとすると、株式譲渡金額で1億円で取引できます。この際かかる税金は、譲渡益に対して現在20.315%の申告分離課税が適用されます。資本金が1,000万円の会社なら、1,800万円強の税金が発生するわけです。

手取は、8,200万円弱ってことですね。

 

しかし、M&Aの交渉では、価値が1億円の会社の譲渡で、株式譲渡価格5,000万円+役員退職金5,000万円という設定にすることも、当事者の理解が得られれば可能です。

退職金には退職所得控除がありますし、課税退職所得の半額は非課税なので、実際には株式譲渡益としてもらった時にかかる税金20.315%よりも安く済むことが多いです。

 

退職所得控除額は勤続年数などにもよりますが、例えば勤続30年であれば退職所得控除額が1,500万円なので、課税される退職所得は1,750万円となり、税額は約600万円となります。株式譲渡にかかる税額は、800万円強なので、合計の支払税額は1,400万円強となります。

手取は、8,600万円弱ってことですね。

 

株式譲渡代金にするか、退職金にするかで400万円余りも手取額が変わってくるなら、絶対アンテナは高くして検討してみるべきですね。

 

もちろん、退職金を支払うわけなので、元々の代表者が今までと同じような働き方をしていたら、税務署に指摘を受ける可能性があるので、「実際に実務を引継ぐ」という前提で退職金を支払う必要があります。

 

親族内承継や従業員承継では、結局経営権を譲渡しても、元々の代表者がしょっちゅう顔を出す必要が発生することはあり得ますが、M&Aの場合は、買手企業が「もう十分に引継ぎができました」というところまでくれば完全に実務から離れることができるので、安心して退職金を支払えます。

 

このような、株式譲渡代金でもらうのか、退職金でもらうのか、という話を買手の立場から考えると、どっちみち手出し金額は変わらないから、退職金が税務否認されないような設定であれば売手の好きにしてください、というスタンスの会社も比較的多いような気はします。

 

退職金で支払えば、単年で大幅な赤字決算になる可能性があるので嫌がる買手企業もいますが、節税になるから問題ないという買手企業もいます。これは買手によりけりなので、売手としてはできるだけ買手の税務リスクや事情を酌み、合意できる額で退職金をもらう、というのが正しい交になります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

M&Aをしたからといって現在の役職を退任しなければいけないわけではないですが、社長個人がお金を受取ることをM&Aの目的としている場合には、退任し、少ない税金で創業者利益を得る、ということを積極的に考えても良いかと思います。

 

このM&Aいろは塾でも、適切な退職金の設定方法については個別にアドバイスしておりますので、ご興味がある方は下のお問合せフォームよりご連絡下さい。

 

最期までお読みいただき有難うございました!

 

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