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会社を高く売るために何をしたらよいか

お悩み社長

あと数年で会社を売ろうと思っているけど、退職金代わりになるくらいの金額で売るためにはどうしたらいいのかな?

 

会社を譲渡するのはお金の為じゃない、と言いつつ、やっぱりどうせもらえるなら高い金額を受け取る方がよいですよね。

ここでは、できるだけM&Aで売れる金額を高くするために方法をお伝えしていきます。
(付け焼刃的な感じの話ではないので、数年先の譲渡に向けてこうしてください、という内容です)

 

それではいきましょう。

 

営業利益を最大化する

 

いきなり当たり前の話かよ、と思うかもしれませんが、短期的にはこれが手っ取り一番早いです。

 

中小企業のM&Aでは、「純資産+営業利益×数年分=株式価値」という計算で企業価値を計算することが多くのM&A業者で採用されています(正しいかどうかは別として)。これは売手・買手で交渉をする上での基準として使われるものなので、理屈として希望株価を説明できる点では覚えておくべきです。

 

ただ、純資産を膨らませようというのはそんなに簡単ではないです。借入して現金を増やしても純資産は膨らまないですし、高い法人税を支払った上で法人に蓄財していくとなるとそもそも大きな利益を残す必要があります。

 

それよりも、譲渡前の営業利益をできるだけ良い状態にしておければ、掛け算で計算できるので、株式価値も理論上は倍々で増えていきます。

 

ただ、営業利益の数字というよりは質にこだわるようにしてください。

どういうことかというと、即効性のある役員報酬のカットなどではなく、粗利段階で利益率を改善したり無駄な経費は徹底的に削減するという意味です。

 

中小規模の会社においては役員報酬カットはダイレクトに営業利益を押し上げる要因になりますが、役員報酬は即調整ができるものなので、M&Aをする際でも「私が退職したら役員報酬分が減るので、それも加味した営業利益で株価の交渉をしましょう」という話ができることがほとんどなので、無駄に生活を切り詰める必要はありません。

 

むしろ、安易に役員報酬をカットしてしまうと、役員退職金の税務上の許容額が下がってしまいます。

 

株式譲渡価格が1億円だったとして、本来ここから資本金額を引いた額に20%程度の税金がかかりますが、役員退職金5,000万円+株式譲渡価格5,000万円という受取り方をすることで、実効税率を20%より安くすることができる手法などが良く使われますが、上記のように役員報酬をカットすると退職金に割り当てられる金額が減ってしまい、役員退職金4,000万円+株式譲渡価格6,000万円とか役員退職金3,000万円+株式譲渡価格7,000万円といった割合になってしまいます(役員退職金は税務上損金に計上できる額が計算式があります)

 

退職金の税金が20%以下の内は、退職金額の割合を減らすとトータルの税額が高くなっていくでしょう。

 

ちなみに、「純資産+営業利益×数年分=株式価値」という計算以外にも、上場会社の収益性と株価の割合を参考に売りたい会社の価値を決める方法もありますが、これも結局営業利益たる収益力が最重要になります。

 

「実際何倍くらいの営業利益がのせられるの?」という話については業界・業種や規模感によっても異なりますので、気になる方は個別にM&Aいろは塾に質問してください。

 

 

人材不足の業界であれば、離職を防ぎ、可能なら新規採用をする

 

人材が不足している業界であれば、買手企業は人材を短期的に大量に確保するためにM&Aを検討していることも少なくありません。

 

通常の会社では、新人1名を入れても社風になじめず離職してしまったり、教育の末育ったと思ったら競合他社に転職してしまったり、ということもあるのですが、M&Aで会社毎従業員を受け入れれば、社風が変わって離職する人も少ないですし、教育する以前にある程度のスキルを持っている人を迎え入れることができます。

 

こうしたことからM&Aは人材獲得のために必要な手段、と捉えられています。

 

人材不足の業界は昨今いたるところでみられます。

 

人材不足の業界において人材を多く抱えていることは、企業価値を高く見積もってもらうために重要な点ですので、会社を売るからといって社員を辞めさせるようなことはせず、むしろ、組織を大きくしておき、もっと良い会社にしてもらうために会社を売る、という方向にマインドを切り替えると回りまわって売手側にも良いことがあると思います。

 

ちなみに余談ですが、買手企業の中には、欲しい人材の頭数×●●万円という計算式で会社の価値を計算する会社もなども過去ありました。正しいかどうかは別にして、採用コストとM&Aのコストを天秤にかけるのであれば実に分かりやすい決め方ですよね。

 

 

保有不動産が高い時に売る

 

先程の「純資産+営業利益×数年分=株式価値」という式における純資産のところに関係します。

 

土地の価格などは公示価格や路線価などもありますが、実勢価格というのもM&Aの価格を協議する上で議題に上がります。不動産の実勢価格は需要と供給の関係で価格が上下しますが、その市場感もM&Aでの株式評価の純資産価格に影響を与えます。

 

直近では、コロナの関係で観光が盛んなエリアでは外国資本が抜け、不動産価格について高値の売り出しについて誰も買手がつかない、という状況が不動産市場で起こりました。

 

こういう状況下では、不動産を保有している会社のM&Aは不動産価格について強気で交渉できない分、条件は何もない時よりも悪くなります。

 

タイミングはこういうところでも大事な訳ですね。

 

ただ、重要なのは、会社を買おうとしている買手企業は大抵の場合不動産を目的に会社を買収しようと思っている訳ではないので、含み益が大きすぎても逆に買いにくい会社となってしまいます。

 

買手企業でM&Aを積極的にしているような会社は、同じ投資資金でもより多くの売上・利益をグループに貢献してくれる会社を傘下に入れたがると仮定すると、土地・建物付きの会社1社を買収するよりも、賃貸物件で事業をしているが売上が同じくらいの会社を2社買収したがる、という考え方もあることは理解しておきましょう。

 

事業に必要な分の適正な不動産を適正な価格感で保有している、ということがM&Aをする上では望ましいですね。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

会社を売ることはなかなか計画的にできないものですが、引退後〇〇円必要、という考えがあるのであれば、事前に会社の価値についての考え方を理解して、目標に向かってコンディションを整えていきたいものです。

 

最後までお読みいただき有難うございました。

 
 

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