お悩み社長
最近M&Aの業界でもステマっぽい記事を目にする機会が増えました。
ステマ(ステルスマーケティング)というのは、いわゆる「やらせ」とか「サクラ」で、第三者を装って「この仲介会社はおすすめです!」と口コミを挙げることで、集客する手法です。
こういった行為は、消費者に誤ったイメージを植え付け、合理的な判断が出来なくさせることに繋がります。誤認のさせ方によっては景品表示法違反等の罪となり処罰されます。
あるいは、ウォルマートのようにステマが原因でブログが炎上することだってある「信用が失墜する行為」です。
こんなリスクがあるのに横行している理由や、見抜くポイント、ネットで仲介会社を選ぶ際の注意点を解説していきたいと思います。
本日の記事が役に立つ方
・本当の評判を確認したいと思っている方
それではいきましょう!
M&Aでステマに該当するものはどんなものか?目的は?
M&A関連でステマといえば、
「会社のご売却にこの仲介会社はおすすめです!専門的なサービスで完全成功報酬型です!」
と、売手となるオーナーに向けた記事や口コミで、問い合わせに誘導しているものです。
要は、売手企業とコンタクトを取りたくてステマしてるわけですね。
自社が自社のホームページで宣伝したり、テレビCMをするとかならいいんですが、あたかも第三者を装ってお勧めしているので、人を騙して集客するという悪質な行為です。
M&A仲介はいかに優良な会社の譲渡を任せてもらえるか、で手数料が稼げるかが決まる商売なので、人を騙してでも欲しいのでしょう。
ステマは違法性が認められたり、信用失墜などのリスクが伴いますが、ステマ業者はM&Aコンサルティングというサービスの複雑性で胡麻化そうとしている部分もあるので、情報閲覧者が気を付けないと危険です。
筆者的には常識的にありえない行為だと思いますし、M&A自体に不信感を持たせてしまう行為なので同業としてもやめてほしいと思っています。
ステマ情報の見抜き方
怪しいステマ情報はどうやって見抜いたら良いのでしょうか?
一般的なステマを見抜く方法をネットで調べてみると、次のような会社はステマを利用している可能性がかなり高いようです。
クチコミで肯定的な意見ばかりで、最高評価ばかり
M&Aに拘わらずですが、Googleなどの口コミ欄などで、肯定的な意見ばかりが並んでいたり、やたらと高評価の投稿ばかり並んでいる会社は怪しいと思った方が良いです。
ホテルとか旅館を選ぶ時でも、肯定的な意見ばかりのところって
「これ従業員が書いてるんじゃないの?」
とか思いますよね?
むしろ、
「お風呂の水はけが少し悪かったけど、部屋も料理も最高でした!」
という投稿の方が信憑性あるように思いますよね。
M&A業界でもこうした信憑性の無い投稿は各所に飛んでいますので信じてはいけません。
ちなみに、
★が5つの投稿者と★が1つの投稿者ばかりで、平均が★3です、というのと、
★が1~5つで満遍なく分布しており、平均が★3です、というのだと意味合いが全然違います。
その会社が全てのお客さんに等しく接しているのであれば、前者のような極端な事は普通起こり得ないので、「サクラ」と「アンチ」だけの口コミの可能性があります。
ステマとして操作するのであれば当然高評価に寄せるはずなので、★が満遍なく分布すること自体ある程度の信憑性にはつながります。ただ、巧妙なステマの可能性もあるのでコメントの内容にも注目してみる必要があります。
また、「やらせ」「サクラ」投稿の特徴でおもしろいのが、投稿の内容で誘導させようとしているターゲットやアピールしたいポイントがわかる、という点です。
どういうことかというと、「M&A仲介会社は売手企業に問合せしてきてほしい!」と思っている訳なので、売手企業に対して問い合わせに繋がるような誘導をしている、ということです。
M&A仲介業における「関係者」というのは、売手企業もいますが、買手企業もいますし、紹介元の金融機関や士業もいます。中には同業の仲介会社だってあります。
1社の売手企業のM&Aで、普通は複数社の買手企業に打診をするので、接している関係者は買手企業の方が多いはずです。
ところが、上記の事情があると、ステマ投稿は、さも売手企業が書いたような投稿で、「この会社はおすすめだよ!」というテイストの投稿ばかりになります。
客観的に考えれば、買手企業の方が色んな仲介会社と接しているので、買手企業から仲介会社への口コミの方が信憑性があるような気もします。
(ただ、こんなことを言うと買手企業を装ったステマが増えるのですが・・)
口コミや評判の情報を探している方は「事実」を知りたい訳なので、信憑性に足る情報を探す必要があるので、怪しいなと思う内容については信じてはいけません。
むしろステマだと感じるような節があれば、その仲介会社が発信している情報やその他の媒体でその仲介会社を推奨している情報全てを疑った方がよいでしょう。
ブログ記事で、運営者とお勧めしている仲介会社が異なるとき
ブログでM&Aに関する情報発信は年々増えていますがステマも横行しています。
いかにも第三者を装って「仲介会社の〇〇株式会社は素晴らしい!」みたいな発信はいくらでもできます。
自社のアピールポイントを自社のブログでアピールするのは宣伝ですが、自社のアピールポイントを第三者を装ってアピールするのはステマです。
最近よくあるのは、
「〇〇業のM&Aでおすすめの仲介会社はこちら!」
みたいな記事で、いくつか名前を載せている中のイチオシになっているところにステマを仕掛けている仲介会社の名前が載っています。
前に筆者が見たものでは、
№1 〇〇株式会社(仲介会社)※同業でも聞いたことの無い会社
№2 〇〇株式会社(上場大手証券会社)
№3 〇〇株式会社(上場大手仲介会社)
みたいな感じでアピールしてました。
すごい度胸だと逆に関心するくらいです(笑)
おすすめする根拠も特に書いてなかったので、もう自ら「ステマですよー!!」って言っているようなもんです。
M&A仲介というのは成果物が非常にあいまいなので、多くの記事で記載されている「おすすめする理由」は非常に漠然としています。
「〇〇の業界で実績がある」って言われても、本当に実績はあるの?証拠は?
「専門家がフルサポートする」って言われても、本当に専門家が案件に関与するの?主担当のコンサルタントはM&A業界に入って何年なの?
「最安値水準の手数料」って言われても、そもそもの標準っていくら?「水準」って何?最安値じゃないの?
と、見る人が見ればツッコみどころは非常に多いので、冷静に考えてみるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
「ネットでたくさん紹介されているんだからいい会社」というのはM&A業界についていえば疑ってみた方がいいです。全部同じ会社が書いているステマ記事かもしれませんので。
最後までお読みいただき有難うございました!