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「高学歴なコンサルタントに任せるべき?!」M&A業界で学歴至上主義が一般的な訳

お悩み社長

M&Aコンサルタントを選ぶのであれば一流大学出身のコンサルタントがやっぱりいいよね?
 

 

M&A仲介会社のホームページを見ると、「〇〇大学卒業後、〇〇で経験を積んで・・」みたいなことが書いてあることが多いです。

 

この大学名は大体は世間的に頭がいいよね、とされる大学名だったりするので、「この人達に任せたら大丈夫かな」とか思ったりする人もいるかもしれません。

 

筆者の経験からも、だいたいM&A業界では似たような学歴を持っている人が多いなぁと感じることが多かったです。

 

今日はM&A業界で学歴至上主義(?)が一般的な理由について説明した上で、M&A仲介に本当に必要なスキルは何か、どんな観点でコンサルタントを選ぶのが間違いないか、について説明したいと思います。

 

本日の記事が参考になる方

・どんなコンサルタントに任せるのが正解なのか知りたい方
・M&A業界に入ろうと思っている方
 

 

それではいきましょう!

 

 

なぜM&Aコンサルタントには有名大学卒が多いのか?

 

有名大学卒ばかりなのは、M&Aコンサルタントに限った話ではありませんが、コンサルタントという職業自体でも同じことがいえます。

 

コンサルタント、という仕事は知識を売る仕事ですので、先入観として「頭が良い人に任せる」ということがコンサルタントを決める上での大きな動機付けになり得ます。

 

東京大学出身で外資系の〇〇で経験を積んだコンサルタント、に任せたらなんか大船に乗った気になりますよね。

 

コンサルタントを雇う側にあるコンサルティング会社としても、肩書があるコンサルタントを雇えるかが自社の集客にも直結してくるので、どうしても履歴書ベースの選考では高学歴な人材を選ぶ傾向はあります。

 

また、一般的には企業側が募集している給与が高ければ高い程、人材を選んで採用できる形になるので、インセンティブも含めて高い給与を出しているM&Aコンサルティング会社は比較的選べる立場といえます。

 

そんなことから、たくさんの応募者をまずは学歴でふるいに掛けたりするため、結果、面接に来る段階で既に高学歴人材ばかりになるわけですね。

 

理系人材であれば「〇〇」ができますという技術面のアピールができますが、文系人材の場合はそういった技術やスキルなどは形に表しにくいので、学歴や前職での営業成績で選考が進むM&A仲介会社も多いように思います。

 

 

じゃあ、学歴の高いコンサルタントに任せると良いのか?

 

結論から言うと、あまり学歴を気にしなくてよいです。

 

そもそも日本の大学入試は記憶力が良ければ良い点数が取れる面も大きいので、この入試スキルは社会であまり役に立っていないことも皆さんご存じでしょう。もちろん座学ができないよりはできたほうがよいですが。

 

役に立ったのは、努力する力とか諦めない気持ちとか、、戦後の日本みたいな反骨精神的な気がします。

 

実務的に中小企業のM&A仲介で必要なのは、話し相手の意図を解釈する理解力と、適切な温度感で接し、正確に伝えられる語彙力とコミュニケーション力、あとは、どういった聞き方をしたりどういったデータを集められれば判断材料を得られるかを考えられる論理的思考力のような力です。

 

こういった力が欠けているけど有名大学卒だからM&Aコンサルタントになった、という人の中にはこんな失敗をしていた人がいたりします。

 

・上から目線で説明したことで売手(買手)から嫌われてしまい出禁になった者
・何でもポジティブに伝えて案件を進めていたが、売手(買手)が疑心暗鬼になってしまい出禁になった者
・当事者の想いよりも「これはこうあるべき」というコンサルタントの考えを優先してしまい出禁になった者

 

 

 

・・・はい、実は出禁って多いんです(笑)

 

 

 

担当コンサルタントにとって、出禁を食らうというのは不名誉極まりないことですが、誰もが知っている一流大学出身のコンサルタントでも出禁を食らうことはあります。

 

中小企業対中小企業のM&Aでは、たまにノンロジックで交渉が進んだりもするので、逆に偏差値の高さと変なバイアスのかかった性格やプライドがうっとおしいと思われてしまうこともあります。

 

もちろん、有名大学卒でも本当に優秀な人はいるので、上の例はあくまで一例です。

要は、有名大学卒だからきちんとしたM&Aを提供できるというのは誤りで、当たり前ですがM&Aに必要とされるスキルを身につけている人かどうかが重要です、という話がしたいわけです。

 

「頭が良い」=「頭の回転の速さ」という風にとらえれば、頭が良い方が当然処理能力も早く、スムーズに事が進みます。トップ面談の時に、コンサルタントの頭の回転が遅いと、頭が良くて回転も速い売手と買手の代表の話についていけず地蔵になってたりもしますので。

 

なお、論破する力も必要なんじゃないか?と思う人もいるかもしれませんが、M&A仲介の現場ではあまり弁護士がやるような論破力は必要とされていません。

 

もちろん、論理的に説明する、という能力は絶対に必要なのですが、相手のアラを探して論破しにいくというのは、逆に心象を悪くして話がこじれることが多いです。それこそ、下手すると上の事例のように出禁になっちゃたりする訳です。

 

一見優秀そうで、なんでも論破しちゃうようなアドバイザーに任せると安心できそうな気もしますが、逆にその論破の矛先がクライアントである自分の方に向かってくることも仲介ならあり得ると思っておいた方が良いかもしれません。

 

なので、「知識や経験が豊富だけど、物腰は柔らかい」、という人の方が仲介向きであることは間違いないと思います。

 

一方で、仲介ではなくFA(ファイナンシャルアドバイザリー)として、売手だけの味方・買手だけの味方という動き方をする場合は、弁護士がやるような論破力は必要となります。自分の雇ったアドバイザーが言い負かされちゃうと交渉が不利にもなり得ますので。

 

どんな用途でアドバイザーを起用するのかで、どんな性格のアドバイザーを選ぶのかも気にしてみるとよいかもしれませんね。

 

 

結論

 

M&A仲介会社やM&Aコンサルタントを選ぶときには、会社の規模やコンサルタントの学歴だけで選ばないようにしましょう。

学歴よりも、M&Aに関する知識と経験、あとは、自分と性格的に合うかどうかが大事です。

 

まずは、仲介手数料(最低報酬額)の極端な2社を比較しつつ、料金が変わるとどの程度コンサルタントの質が変わるのか、を比べてみてもいいです。

 

仲介手数料が倍になったから、倍、仲介向きで優秀なコンサルタントと出会える、という可能性は筆者の感覚では正直無いと思いますが、感じ方は人それぞれですので試してみるのも面白いです。

 

仲介手数料が安くても誠実に仕事をするコンサルタントもいれば、肩書だけは一流だけど実は出禁を食らいまくっているコンサルタントの仲介手数料が高額だったりもします。

 

また、気を付けた方が良いコンサルタントの特徴についてもこちらの記事で取り上げておりますので、興味があればご参考下さい。

「選んではいけない!」M&Aコンサルタントの見分け方まとめ

 

 

いろいろ書きましたが、特に意識しなくても普通にM&Aコンサルタントを探してみると、皆それなりの学歴であることは多いと思います。

 

ただ、たとえ「〇〇業界での実績がたくさんある」「前職は〇〇である」という実績や肩書があっても、そのコンサルタントと喋っていて「ホントに専門家?」と違和感があるように感じるのであればご自身の感覚を信じてもよいと思います。

数多くの荒波にもまれてきた百戦錬磨の経営者から見て未熟だと思えばそのコンサルタントは未熟だと思ってもよいです。

 

M&A仲介は株価算定やスキームの提案ができればよい訳ではなく、経営スキルやビジネスモデルへの理解や興味も無いと務まりませんので。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

色々書きましたが、「これからM&Aコンサルタントになろう!」という求職者の方は、学歴はきちんと見られますので覚えておきましょう。学歴は後からどうしようもないので、リカバリーする必要がある方は、現職での営業成績の良さをきちんと伝えられると良いと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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