お悩み社長
以前こういった記事を書きました。
「貴社と資本提携したい」というDMは大抵ウソ、という事実
今でも色々な仲介会社が「資本提携しませんか」と大量のDMをばら撒いています。
(DMがばら撒かれる度にM&Aいろは塾にアクセスが来るので、とっても分かりやすいです)
こういったDMを受け取ったりすると、
「なぜ、うちの会社に送ってくるんだろう」
「もしかして、うちの会社が後継ぎいないことを知っている近場の人から情報が漏れてる?」
と不安に思うこともあるかもしれません。
今日は、M&A仲介会社の社内でDMを送る手順を説明し、なぜM&Aに関するDMが届くのか、その対処方法はあるのかについて説明していきたいと思います。
どんな先にDMを配信しているのか
まず、M&A仲介業者がどういった先にDMをばら撒いているかというと、当たり前ですが、「売れそうな会社」「高い株価がつきそうな会社」に対してばら撒いています。
とはいえ、実際にあなたの会社の決算書まで見ている訳ではないので、ざっくりとした売上高や従業員数、エリアと業種でスクリーニングしていることがほとんどです。
M&A仲介会社のDM担当はこんな感じです、
「場所が都市部の人材派遣で売上が3億円もあれば、よっぽど借金まみれでなければ売れるだろう」
「ソフトウェア開発業で、売上高2億円、従業員が20人もいればあの買手が検討するはず」
「工事系の職人は不足しているから、とりあえず内装工事でも電気工事でもとりあえず年商3億円以上の規模のところはターゲットだ」
→「よし!DMを広く撒いてみよう!」
という感じのノリです。
大手の仲介会社でもこういった「資本提携しませんかDM」の返信率は良くて数%程度なので、何もレスが来ない事態を防ぐために、数百~数千通を一気にばら撒くことになります。DMは外注業者が作っていることが多いので、DMを作る手間は1通でも1,000通でも一緒だからたくさん撒いてしまおう、という感じですね。
こんな軽い感じで送るDMなので、「貴社と資本提携を検討している買手がいる」とか「貴社とシナジーがある買手がいる」とかは嘘であることがほとんどのように思います。
このような感じなので、いざDMを送った先から連絡をもらったりすると、「あれ?そんな会社にDM送ったっけな?」というリアクションになります。だから、DMに同封されているFAX用紙には担当者名が書いてあったり、通し番号的なものが書いてあったり、はたまた、送り先の社名を書かせるようなフォーマットになっている訳です。
それでは、どんな形であなたの会社の送り先情報が仲介会社の手に渡るのでしょうか?
DMの送り先はどうやってリストアップしているのか
M&A仲介会社は一般的に、「帝国データバンク」や「商工リサーチ」などの情報を元に送り先を抽出します。
データの母数が多いというのもありますが、それらを使用する大きな理由は、売上などの財務情報が分かるからです。
場合によっては株主構成とかも一括してデータ取得できるので、既に買収済みの会社である可能性の高い法人株主の会社を省くこともできたりします。
こうした情報を元にDMを送れば、「業種」「売上規模」「収益状況」「エリア」「従業員数」「株主名」などを絞って集客できるので、効率的に”欲しい案件”を仲介会社が獲得することができるわけです。
ここまで絞れば「会社の規模が●●くらいの●●業の会社で今M&Aが盛んで、このオファーは株主様だけにお送りしています」くらいのセールス文章はいくらでも書けるので、「これは我が社の事ではないか?」とドキッとしなくても良いです。
また、DM業者や名簿屋が情報を持っていることも多く、仲介業者が1件いくらという感じで購入してDMまで発送する、ということも多々あります。
彼らがどういうルートで仕入れているかは分からないですが、中には怪しい業者もいます。もし名簿業者から情報が流れていることが確認でき、気持ち悪いということであれば、第三者への情報提供を差し止めることも可能かもしれませんのでご検討ください。
資本提携DMを受取りたくないときの対処法
一般的に、年末年始や大型連休の前、4月などの期の始まりにこうしたDMの数は多くなります。
「社長も休むであろう連休の前にDMを撒いておけば、休み中に読んでくれるだろう」
「今期の予算を達成するためには案件が足りないからDM作戦だ!」
といった感じです。
最近ではM&Aについての補助金も出ているので、その補助金が使えるようなタイミングで案件化したいという考えが働くので、補助金の申請が始まる春秋でも増えやすい傾向にあります。
全くM&Aに興味が無いということで、聞いたことのない「M&A〇〇」とかの会社からの手紙はそもそも問答無用で郵便物を受取拒否している方もいます。
いかがでしたでしょうか?
間違っても、社内や社外、あるいは、あなたの人間関係の誰かが我が社の情報をリークしている、とかは思わなくても良いので安心してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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