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M&A仲介のフリーランスが増加中?M&Aクラウドがフリーランスと連携開始

 

こんにちは、M&A職人です。

 

最近、M&A仲介のフリーランスの方も増えているように思います。

 

そんな折、M&Aクラウド社がM&A仲介でフリーランスの専門人材と連携するというニュースがありました。

M&Aクラウドというのは売手と買手のM&Aマッチング支援をするプラットフォームですが、そのプラットフォーム内でマッチングした売手と買手の成約までのお手伝いをM&A仲介フリーランスに依頼するというもののようです。

 

今後もこういった提携が増えていくんじゃないかなとも筆者は思いますが、今日はその背景などについて考えてみたいと思います。

 

ただ会社に搾取されるだけが嫌で独立する人の急増

筆者の回りでも、在籍しているM&A仲介会社を退職して独立する方は結構多いです。

理由を聞くと、

「会社の看板が無くてもやっていけると思った」

「会社に搾取されている感があってやってられなくなった」

という意見が一定数いる印象です。

 

ただ、この低い労働分配率でも一般の方からしたら高給取りと言われる額の給与にはなるので、そもそも顧客から徴収する仲介手数料が異常に高いのがM&A業界というところになるのですが、一般の方からしたら高給取りだから納得するのか、本当はもっともらってもいいはずだと思うかは、人によって捉え方が異なるところです。

 

もっと社員に分配せよと感じている社員からしたら、「独立して自分で稼ごうかな」と考えるのも自然な感情かもしれません。

 

筆者の経験上共通しているのは、ある程度成約させる力があり稼いでいる社員が独立したいという感情を抱きやすい一方で、あまり成約しない社員はこういう風には思わないことが多いということです。

 

M&A業界で独立する人が増えている背景としては、上場している仲介会社の決算などで従業員が収益構造を知ってしまったり、同業者が増える中案件の獲得競争も厳しくなり会社の看板で仕事を取るといったようなことが通用しなくなっている、などの理由もありつつ、常に大手仲介会社中心に大量採用して現場に投入ということをしているので、M&Aの成約経験を持つコンサルタントも一定数増えてきているとも要因かと思います。

M&A仲介のフリーランスに任せるのは不安?

 

さて、今回M&Aクラウドがフリーランスのコンサルタントを使ってM&Aを推進するということを始めましたが、「M&Aなのにフリーランスに任せるのは不安」という方もいるのではないでしょうか?

 

これについては、注意すべきところはありつつも、品質的には問題ないのではないかなと筆者は個人的には思います。

 

というのも、独立しているM&A仲介のフリーランスというのは、上記でも触れましたが、勤めていた仲介会社で優秀だったコンサルタントの可能性が高いです。そもそも自信があるから独立したわけですし。

 

なので、顧客側としてみたら、仲介会社で誰に任せるか選べないまま新人コンサルタントなどにあたるより、自信があって独立した経験値の高いコンサルタントに任せた方が、検討を進める上でストレスの少ない対応や、的確なアドバイスをくれることが期待できると思います。

 

もちろん、人と人なので、なんかこの人のいうことが理解しづらいなとか馬が合わないなということはあると思います。

 

ちなみに、今回のM&Aクラウドのようなサービスに申し込むフリーランスというのは、「売案件の獲得が苦手」「買手探しが苦手」という面ももしかしたらあるかもしれません。

 

ただ、筆者がこれまでM&A仲介に携わってきて、「成約までスムーズに話を進める能力」とそれらの「売手・買手を探す能力」は別物だと考えます。

 

売手・買手を探すのは、DMや電話をしまくるということでも実現できてしまうくらいのものなので、本来M&Aコンサルタントが持っておくべき知識や経験がなくとも成果が上げられる部分です。だから、「売手・買手を探す能力」が無いからといって、M&Aコンサルタントの能力が低いということにはならないわけです。

 

M&Aコンサルタントの苦手な部分を、M&Aクラウドのテクノロジーの力でカバーする、というのはしっくりきますし、良い取り組みだなと筆者は思います。

 

M&A業者間の連携で難しいところ

 

今回のフリーランスとの連携で料金体系などは分かりませんが、M&A業者間で連携するときはその料金設定で難しい部分があります。

 

どのM&A業者も、

「難しい案件はやりたくない」

「手数料が大きく稼げる案件をやりたい」

というのが本音としてあります。

 

なので、財務がかなり悪化していたり、異常に希望金額が高い、いわゆる成約が難しい案件を他のM&A業者に依頼しても、あまり関係性が深くないM&A業者の場合は受けることを嫌がるケースもあります。

 

ここについては、難しい案件・長期化しそうな案件・小規模な案件などは、案件を依頼する際に、リテーナーフィーを設定して依頼するような会社も出てきていますので、双方のメリットをどうやって出せるかが、M&A業者間の連携が上手くいくかのポイントかなと思います。

 

仮に売手と買手が諸条件でマッチしているのであれば、成約確度もそれなりに高いと思いますので、リテーナーフィーなしで成功報酬でも成り立つのではないかな、と思う次第です。

 

色々と筆者の感想を書いてきましたが、M&A仲介のコンサルタントについても働き方が多様化することで、手数料設定も多様化してきますし、顧客側からみても手数料やコンサルタントの質で選べる選択肢が増えることにもつながると思いますので、顧客側にとってもよい話ではないかと思ったりもします。

 

筆者は勝手に好きなことを言っている立場ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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