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「会社の本当の売り時っていつ?」仲介会社に惑わされない売り時の決め方

お悩み社長

後継者もいないからいづれは会社を売ろうと思っているけど、何を基準にいつ売ればいいの?
 

こちらはM&Aいろは塾にお問合せをいただいた方からのご相談内容です。

 

結論からいうと、「売りたいと思ったら売ればよい」なのですが、これだとあまり回答になっていないので、世の中にはどういう判断で売る人がいて、売る際の希望条件をどうすべきなのかを少し具体的に説明していきたいと思います。

 

 

まず、根本的な話ですが、多くの方が譲渡を決断するタイミングが遅め、という問題があります。

 

 

売るのに踏み切るタイミングが遅い会社が意外と多い

 

会社というのは、「作る」よりも「売る」ほうが決断するのに勇気がいります。関係者も増えてしまっていることが多いですからね。

 

そんなこともあってか、筆者が譲渡のご相談をいただいた時に「もう少し早いタイミングで相談してくれればな~」と思う事も多いです。

 

M&Aというのはスムーズにいっても半年、一般的には1年くらいがかかるものなので、想像よりも早め早めに動かないと、思い通りのリタイアもできなくなってしまいます。

 

では、一体どんな時に「会社を売ろう!」と決心を決めるのでしょうか?

 

筆者が色々な会社を見てきた中での売却検討のきっかけはこんなものがあります。

 

【売主が売ろうと決断するきっかけ(例)】
・将来的に経営を任せようと思っていた人材の離職
・主要な取引先の喪失
・規制強化や業界情勢が著しく悪化し、将来への展望が見えなくなった
・後継者がおらず、代表である自分に健康上の問題が発生した
・借金が多く、倒産せずにM&Aで債務引受してもらう方法を知った

 

そもそも経営においてクリティカルな問題が発生してから売ることを検討しているので、良い条件で譲渡したいという希望からはかけ離れた結果になることもあります。

 

とはいえ、会社の業績も利益もバンバン伸びている状態で「よし、売ろう!」と思わないのは普通だと思うので、売るタイミングは難しい、という風に考える方も多いのです。

 

この点については選択の問題で、「良い経営環境の時に良い条件で売る」「売りたいタイミングで客観的な評価を基に希望を決める」のどちらかを決める必要があるのですが、なかなか自分の会社を客観的にみることは難しいと思いますので、売るタイミングや条件の見極め方について説明していきたいと思います。

 

 

「よい条件で売れるから」は単なる仲介会社の営業文句

 

こちらの記事でも紹介しましたが、M&Aの会社からよくDMや手紙が届く方も多いのではないでしょうか?

「貴社と資本提携したい」というDMは大抵ウソ、という事実

そこで書かれているのは、「貴社に興味をもっている買手企業がありまして」とかだったりしますし、実際にM&A仲介会社の人と会っても、「貴社であれば高い株価がつくと思うのでご売却を検討してみては?」と言われたりします。

 

結論から言うと、これらはただの営業文句ですし、仲介者は買手からも手数料を貰う立場なので、一方に良い条件で交渉する的な発言はしてはいけません。怪しい問い合わせだなぁとスルーするのが正解です。

 

「今なら買手企業に良い条件を出してもらえる」という仲介会社もいるようですが、そもそも、その仲介会社が特定の1社の買手にのみ持っていこうとすること自体、売手にとってリスクです。1社からしか条件が出なければ良い条件なのか悪い条件なのか分からないですからね。普通に考えて。

 

また、「今貴社で抱えられている人材が買手企業で不足しているのでチャンスです」という仲介会社もいますが、業界で人員不足になっている環境が短期間で変化することはないので、今すぐ売る必要性があるかどうかはきちんと考えてみましょう。筆者が感じるのは、ソフトウェア開発もトラックドライバーも電気工事士も施工管理士も(これらに限らずありとあらゆる技能職は)万年人材不足の業界ですので、別に今焦ってM&Aしなくても買収ニーズは無くならないと思っています。

 

「よい条件で売れるから今売りましょう」は、すなわち、「僕(コンサルタント)の今期の数字がヤバいから今売りましょう」です。

 

積極的にDMや電話で「譲渡しませんか」という問い合わせが来る段階で、自分の会社は市場価値があると思って良いとは思いますので、それを持って自分の売りたいタイミングをきちんと見定めるようにしましょう。

 

 

高く売りたいのであれば”のれん”が高くみれるタイミング

 

売手側としてはできれば高い価格で売りたいのは本心だと思います。

 

じゃあどんなタイミングで売れば良いか、というと「会社の利益が大きいタイミングで売れば良い」です。

 

当たり前の事かよ、という風に思われますが、中小企業の価値についても、「その会社が一体どれほどの利益を出す事業を行っているのか」が買手にとっても超重要であり、M&Aをする場での売手の交渉力にも直結します。

 

「うちの会社は毎年●●円も利益を出しているんだから株価としても●●円くらいは出してもらわないと」というのは至極全うで、合理的な意見になります。

 

通常、M&Aを行う際には、直近3期くらいので財務状態は最低限みますので、この際、利益がきちんと出していることが証明できるような決算書を出せると強いです。
※もちろん、役員報酬や節税保険で払い出している会社はその収益力もここでいう利益に換算することができます。

 

高い価格で売ろう、ということが目標なのであれば、こういった足元の数字が揃ったタイミングで交渉を始めるのも、譲渡を考えるには良いタイミングと言えるかもしれません。

 

こちらの関連記事もご参考ください。

会社を高く売るために何をしたらよいか

 

 

ちなみに、「うちの会社はすごい技術や人を持っているんだけど、利益はそれほど出ていない。でも、これは安売りできないから●●円くらいは欲しい」という希望を出すのは自由ですが、あまり合理的ではありません。

 

筆者は何でも直球で言っていってしまうので気分を害してしまう方がいたら申し訳ないのですが、「本当に市場価値のあるビジネスをされているのであれば売上にもそれが表れているはずですし、きちんとしたコストコントロールができていれば利益が残るはず」です。

 

もちろん中には「すごい技術はあるけど営業が下手で売上に繋がっていない」という会社もあり、それを高く評価してくれる買手もいるのは事実ですが、それが普通だとは思ってはいけません

 

買手のリソース(人材や販売ルートや営業力など)があれば売上が上げられそう、という状態は、将来生み出す利益を売手と買手で協力して作っていく、というものなので、将来生み出される利益を売手が全て得るような交渉の仕方は道理に合っていないといえます。

 

もし、今後絶対世の中に必要とされるものを先行して投資しているため売上がついてきていないが高く売れるはず、とお考えになっている方がいれば、今後どういう市場環境になりどのくらいの市場規模が見込め、自社がそこでどういうポジションになり得るかを合理的に示していく必要があります。

 

ちなみに言っておくと、ほとんどのM&A仲介会社では、そこまでの業界分析ができる人材はいないので、きちんと買手に訴求するためには自分で手を動かす必要が出てくるかもしれません(こういう分析ができる方は一般的なM&A仲介会社のコンサルタントよりも能力が高い可能性もあるので、自分でM&Aを進めてみるというのも選択肢に入ってくるかもしれないですね。。)

 

会社を売るタイミングはいつもコントロールできるわけではない、ということを考えると、いざ売る際にどのくらいの希望を買手に要求できるのかは、自社が交渉できる立場なのかどうかを見極めつつ検討するようにしましょう。

 

 

でも、結局は社長のモチベーションが一番重要

 

ここまで、売り時としては「良い経営環境の時に良い条件で売る」か「売りたいタイミングで客観的な評価を基に希望を決める」の2種類があることを説明して、高く売るならのれんが高くみれるタイミングが良いという話をしました。

 

ただ、実は社長のモチベーションが会社を売るかどうかを決める一番重要な要素だったりします。

 

中小企業というのは社長(兼オーナー)が全てです。

会社を大きくしようと思わなくなれば絶対に会社は大きくならないですし、利益率を上げようと思わなければ普通利益率は改善しません。

 

社長が何かのタイミングで心が折れてしまった時に「会社を売る」というのが頭に浮かぶことはよくありますし、会社を売ることを考えれば考える程、事業を大きくしていこうという意欲は下がってくるものです。経営者だって人間ですからね。

 

「会社を売ろうか」「いや、売らないでおこうか」とモチベーションが上がらない中であれこれ考えるくらいなら、売り時かもしれないと筆者は思ったりもします。サラリーマンが「はぁ、会社辞めたいな」と一度思ったら遅かれ早かれ辞めるように、選択肢の一つとして頭に浮かんだ時点で何かある度に自問自答するようになるものです。

 

会社を売ると収入が0になってしまうので、蓄えが無い方などは頑張ってから売るのが良いこともあるかもしれませんが、死ぬまでに使い切れないお金があるなら自分の気持ちを優先するというのも良い選択なのではないかなと筆者は考えますが、人それぞれですかね。。

 

なんだか答えになっていないような気もしますが、M&Aいろは塾ではこういう気軽な話題についてもご相談いただければ、断言はしないですが一緒にどうするか考えるようなこともしています。

 

是非ご活用下さい。

 

 

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