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「M&A手数料って平均はどのくらい?」本当の統計データを元に解説

お悩み社長

仲介会社の最低手数料って平均いくらくらいなの?

 

M&A仲介会社の設定する手数料というのは各社バラバラです。

 

なんでかっていうと、M&A仲介業について業者を規制する法律というものは存在しないからです。

 

当然こういうサービスを提供するからいくら設定できる、という基準も存在しないので、サービスの質は悪いのに値段が高い業者も出てきますし、サービスの質は良いのに値段が低い業者も出てきます。

 

M&A業者である筆者が見てても、

「この仲介会社、経験値の低い担当付けるのに手数料高すぎないか」

「この仲介会社、もっと手数料取れるのに」

と思うことはよくあります。

 

でも、手数料高い業者が、「業界ではこのくらいが普通」「手数料安い業者は質が悪い」と言ったりすると、「そんなものなのかな」とM&Aをしたことのない方は思ってしまうこともあります。

 

実際のところ「手数料が安い」=「質が悪い」なんて単純な話ではないですし、手数料が高いのに質が悪い会社もいっぱいあります。

 

ただ、安かろう悪かろうみたいなポジショントークで顧客の囲いこみが上手くいってしまってる現状もあるのが厄介なところです。

 

なので、今回は売主がきちんと正しい情報をもとに判断できるように、ここでは「M&A手数料の相場っていくら?」という話をします。

 

なお、以下の記事にて最新の手数料まとめデータを載せておりますので、こちらもご参考ください。

【2026年8月版ランキング】M&A仲介会社の最低手数料はいくらが普通?

 

 

M&A会社の最低報酬額の平均は500万円?

 

仲介会社の手数料については、昔は公表されていませんでした。

 

だから、手数料を知る方法といえば、各社が自社のホームページで掲載しているものだったりするのですが、手数料が高い仲介会社がもっと高い仲介会社を比較対象にして「当社の手数料は他社より圧倒的に安いでしょ」とか平気にやってる時代がありました。

 

他社と比較させず、お得だと思わせ、できるだけ高い報酬で専任契約を取る。

 

こういう業者の作戦に不信感を抱く売主も多かったでしょう。

 

ただ、今ではM&A業者の手数料は中小企業庁が公表しています。

参考 登録支援機関データベース

 

M&A業者でも特に手数料が高い業者は情報を出したがらなかったかもしれませんが、中小企業庁にM&A業者として登録しないと顧客が補助金申請ができない仕組みになり、登録する場合は中小企業庁が要求する情報を出さないといけない仕組みになったため、各社から全社データが集まったという経緯があります。

 

そんなデータを集計すると見えてくるものがあります。まずはこちらをご覧ください。

中小企業庁「M&A支援機関登録制度 登録支援機関データベース」(2026/8時点)をもとに集計

 

M&A支援機関に登録しているM&A業者が設定している「最低報酬額」の分布図です。

 

0~250万円の最低報酬で仕事を受ける業者が1,113社(者)いるのに対し、3,000万円超の最低報酬の業者が1社(者)いる、という見方になります。

 

厳密には取引金額によって報酬が変わることもありますが、最低報酬額以上は絶対払うことになるのでここでは最低報酬額で話をします。

 

これを見るとどうでしょう、業者数でいえば500万円以下に設定している業者が多いようです。

 

集計すると以下が結論です。

手数料開示している業者の、
・中央値は300万円
・平均値は529万円
※2026/8時点で最低報酬を公表している全2,384社(者)の中央値・平均値を計算
※最低報酬で300億円など単位を誤っている可能性のある4社は除外

 

一方で、社員数を多く抱えているような仲介会社は、社数は少ないものの営業人員が多いこともあるため、業者数のボリュームゾーンにはのらず、1,000万円以上の部分に入っています。 

 

面白いことに、実は、受け身で営業を受けていると、手広く営業している社員数の多い(手数料の高い)仲介会社の話ばかり聞くことになります。

 

潤沢な資金でかなり手広く営業しているからです。

 

そして、それらの業者が口々に手数料2,000万円といった価格感で言ってくるため、「M&Aってそんなにお金を払わないといけないのかな」と思う方もいます。

 

ただ、実際そんなに費用を払わないとM&Aを依頼できないわけではないです。単に接触してる業者が高いというだけです。

 

 

 

以前、中小企業庁の公表している「M&A支援機関登録制度実績報告等について」(令和5年3月16日)ではこんな分布図も公表されていました。

 

手数料が低い部分がなぜか小刻みになっていたり、回答している業者数も一部だと思われるので、正確には前述の2026/8時点のものをご参考ください。

 

ただ、この分布図ですら2,000万円がボリュームゾーンでもないです。

 

なので、「M&Aの最低手数料は2,000万円が普通」というような説明をする仲介会社には、その前提をきちんと聞いたほうがいいでしょう。少なくとも2,000社(者)以上の母数は想定しない、その業者にとって都合のよいデータを利用しているはずです。

 

 

この公表資料でもう一つ面白い情報があります。

 

少し意外に思われる方もいるかもしれませんが、公認会計士や税理士などより、仲介会社の設定している手数料のほうが高い傾向がみられたようです。

 

筆者の現場の感覚からいえば、

 

仲介会社→積極的に営業して仲良くなれば多少手数料高くできるから取れるだけとろう

士業→本業じゃないし、紹介するだけのケースもあるし、クライアントに高い料金請求するのも気が引けるから安くしよう

 

という感覚もあったりします(実際にはそれぞれと思いますが)。

 

じゃあ仲介会社のコンサルタントが会計士並みの会計知識、税理士並みの税務知識があるかっていうと、そんなことはないです。

 

知識がなくても営業力があれば荒稼ぎできる、これが仲介が怪しいといわれる所以だったりもします。

M&A仲介会社は怪しい?ヤバい?安全な見分け方【現場目線で解説】

 

 

支払う手数料が譲渡額の5%?それって嘘かも

 

M&A会社のコンサルタントと会話をすると、手数料の説明の時にこんなことを言ってくるかと思います。

 

「弊社は成功報酬をレーマン方式で計算するので、5億円以下の部分については5%です」

 

これを聞いて、「あー、じゃあM&Aで売却した5%くらいが手数料なのか」と思う方もいるかもしれません。

 

それ、間違っています。

 

ちゃんといくらになるかシミュレーションを出させましょう(言わないと出さない会社も多いです)。

 

筆者の知る限り、仲介契約書上前述した最低報酬額が設定されていれば、「成功報酬は最低報酬額もしくはレーマン方式で計算した手数料のいずれか高い方」となっていることが多いです。

 

つまり、最低報酬が2,000万円で設定されていれば、M&A売買金額1億円の案件であれば5%の500万円でなく2,000万円になり、M&A売買金額2,000万円だったら手数料で全額消えて、売主には1円も入ってきません。

 

その実態を示したものがこちらの図になります。

※元資料では、株式譲渡額をベースに報酬額計算をした時のデータの他、株式価値+ネット負債をベースに報酬額計算をした時のデータもありましたが、概ね傾向は一緒です。

 

この図は、M&Aで売却した時の株式譲渡額に対して、M&A手数料が何%あるかを示したものです。

 

例えば、株式譲渡額が500~1,000万円の場合は、中央値として43.1%がM&A手数料として持っていかれるということです。

 

株式譲渡額が5,000~1億5,000万円の範囲での中央値は約10%となっています。

 

そして、前述の5%くらいの手数料感で収まるのは概ね4億円を超すくらいの規模感になってきた時、ということも分かります。

 

シンプルに言うと、規模が小さいM&Aでは手数料5%よりももっと取られるし、受け取る金額の大半を手数料で取られることもあり得る、ということです。

 

コメントではM&Aプロセスにかかる工数という記載もありますが、単純に、最も大きく影響しているのは先ほど説明した最低報酬金額の設定だと筆者は考えています。

 

国内で高額な最低報酬額を設定している仲介会社では2,000万円~2,500万円くらいの設定ですが、これを5%のレーマン料率を基に割り戻すと4億円~5億円くらいのM&A売買金額ということになります。

 

まさにこの図の通りですが、4億円~5億円くらいのM&A売買金額を超すくらいの規模感になってきて初めてレーマン料率で言われるような売買金額の5%、4%、3%とかの話になってくるというのは図からも見て取れます。

 

あなたが会社を売却しようとしているのであれば、想定売却金額から統計的に皆が支払い手数料金額をどのくらい払っているのか見た上で、M&A会社を選んだ方がよいと思います。

 

会社を売却する理由はひとそれぞれと思いますが、単純に経済合理性という観点で言えば、会社を売却してかなりの割合を手数料で持っていかれるくらいなら、会社を清算して手元にいくらか残す方がメリットあるのでは?と考えるのも売手の合理的な行動だと思います。

 

また、もしM&Aをした方が良い、という判断になったとしても、M&A会社に依頼するのではなく、M&Aマッチングサイトなどで手数料を掛けずに買手を自分で探してM&Aした方が手残りが多くなる可能性があるのでは?ということも頭の片隅に入れておくとよいと思います。

 

見せかけで安く見せて仲介契約を獲得する、というテーマで動いているM&A業者もいるので、客観的なデータをきちんと理解して動かないと大抵損をします。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

M&Aの手数料については法律上の制限がなく、業者側もエイヤで決めている部分が少なからずあるので、1社のM&A会社としか話をせず業界標準がどのくらいかも調べずに仲介契約を締結すると後悔することに繋がるかもしれません。

 

M&Aいろは塾では、こうしたデータを基に筆者の見解を述べたりしていますが、なかなか業者側の立場でないと理解できないような内容をできるだけ一般の方にも分かりやすい形でお届けできればと思って色々な情報を発信しております。ご参考いただければ嬉しいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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