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「オンデックを紹介された?ここってどんな会社?」元大手仲介コンサルが解説

 

この記事を読んでいる方は、金融機関や顧問税理士からオンデックを紹介された、という方かもしれません。

 

「オンデックって大丈夫?」と思っている方に対して結論から言うと、オンデックは関西圏では特に知名度があり、筆者が知る限り重大な不祥事等もありません。ただし、現在の最低報酬額は2,000万円となっているため、売却想定額が4億円未満なら他社とも比較した方が良いかなと筆者は思います。

 

加えて、M&Aの紹介者って信用できるかの論点もあるので、もう少し紹介先との関係性を注意深く調べ、本当にM&Aを進めるのであればもうあと1~2社他の仲介会社も使いながら進めるというのが筆者はよいかと思っています。

 

その理由について解説したいと思います。

 

そもそもオンデックってどんな会社?

 

そもそもオンデックを知らない人のために簡単に説明すると、オンデックは古参のM&A仲介会社の中では珍しく、大阪を拠点に長らく活動している仲介会社です。

 

筆者がまだ会社員だった頃、M&A仲介で就職するなら、大手志向の人は日本M&Aセンターやストライク、中堅志向の人はインテグループあたり、地元志向の人は名古屋なら名南M&A、大阪ならオンデック、くらいの時代がありました。

 

まだ、ファンドブック(現チェンジHD傘下)やM&A総合研究所などのM&A仲介会社が幅を利かせていなかった時代ですね。

 

オンデックは紹介ルートでの集客も多い会社で、関西圏の金融機関などとも広いネットワークを昔から持っています。

 

同じく関西圏でも紹介ネットワークを持っていた日本M&Aセンターと競合になることもあったかと思われますが、当時はオンデックの最低報酬は今よりかなり低かったため、紹介する仲介会社の中でもそれとなくすみ分けがあったような記憶があります。

 

その後、規模を拡大し、上場も果たします。

 

ただ、他の上場M&A仲介会社が急激に人員拡大し、人海戦術で直接営業を仕掛け、業績を拡大している流れから見ると少し慎重な事業運営をされているようにも見えます。

 

とはいえ、関西圏では一定の連携先を有しており、特に昔からM&A仲介に携わっている人からすると認知度の高い仲介会社です。

 

 

なぜオンデックを紹介されたのか

 

それではなぜあなたの会社に対してオンデックが紹介されたのでしょうか?

 

その理由について考えてみます。

 

M&A業界で長く働く筆者が考えるには以下の理由があるかと思います。

・関西中心に古くからやっているから
・紹介料がもらえるから
・ただ、紹介しやすかっただけ

 

関西中心に古くからやっているから

オンデックは関西中心に古くから営業しており、関西地場の金融機関や税理士事務所と関係を築いています。

 

筆者が昔仲介会社に勤務していたとき関西圏の信用金庫に営業しにいったことがありますが、「当庫はオンデックさんと密にやり取りさせていただいている」と言われたことがあり、あまり入る隙がないなと思った記憶があります。

 

手数料体系としても比較的リーズナブルに設定されていたので、地方銀行や信用金庫の顧客となる中小企業との相性もよく、フットワークの軽さもあり、選ばれやすい仲介会社だったのかもしれません。

 

現在の手数料体系をみると最低報酬額で2,000万円(税別)となっており、他の上場仲介会社ともあまり差がなくなっているようにも思いますので、今紹介されているのだとすれば手数料の安さというよりも、これまでの紹介で成約に至っているとか、実績・信頼性の部分かもしれません。

 

紹介料がもらえるから

紹介者としては、紹介することで紹介料をもらえることが多いです。

 

ここは紹介者と仲介会社の取り決めにはなりますが、紹介時に紹介料をもらうケースもあれば、紹介した案件が成立したときにもらうケースもあります。

 

後者の場合は、受領した仲介手数料の〇割といったような割合で紹介料が発生することもあるので、例えば仲介手数料で億越えするような案件の場合はかなりの額の紹介料になります。

 

筆者の知っている税理士で、元々本業は税務申告業務でしたが、ある時からM&A譲渡案件を探して紹介がメインの仕事のようになっている方がいたくらいです(笑)

 

まあ、このような例は稀としても、仲介会社が受け取る手数料が大きければ大きいほど紹介者の受け取る紹介料も多くなる可能性がある、という事実は紹介を受ける側の売主としては注意深くみてもよいと思います。

 

紹介者がその紹介料を最大化させようと思ったら、できるだけ手数料の高い仲介会社に紹介するインセンティブが働くからです。

 

なので、信用のおける人から紹介されたとしても、支払手数料も含めて他の仲介会社と比較するという姿勢は大事だと思います。

 

ただ紹介しやすかっただけ

一方、紹介者にとってただ紹介しやすいだけ、という理由だけで紹介されたケースもあります。

 

というのも前述のようにM&A紹介に熱を上げている紹介者もいるはいますが、普通は紹介者は他の本業を持っていたりしますので、特にM&A業界に詳しくなく、色々なM&A仲介者とのコネクションを積極的に持とうとしない紹介者も多いです。

 

つまり、「(あんまM&A業界知らないけど)自分の知っているM&A専門家はこの人だから、声かけてみる?」といった感じ。

 

この場合、紹介者自身もそのM&A専門家の行う仕事についてよく知らないケースもあるので、あくまで仲介会社を比較検討するのは売主自身であることを認識しておくべきでしょう。

 

 

オンデックの手数料

 

オンデックの手数料は、現在公表されている情報から以下となっているようです。

【譲渡側手数料】
・着手金:30万円(税別)
・中間金:成功報酬の10%(成功報酬に充当)
・月額報酬:無料

・成功報酬:時価純資産額レーマン方式で計算
・最低報酬額:2,000万円(税別)

 

オンデックは着手金があるため、仲介契約を結ぶ段階で費用が発生するということは注意が必要です。

 

着手金を取る仲介会社というのは実際他でもありますが、中小企業庁が公表しているM&A業者の報酬内訳の統計をみると約49.8%が成功報酬のみ(つまり着手金無し)となっています。

 

着手金があることが必ずしもダメというわけではありませんが、売主はM&Aをした時に初めてお金が入ってくるので、できるだけM&A仲介会社への支払タイミングは遅らせる方が有利ではあります。これは中間金もしかりです。

 

一方業者側は逆です。できるだけ早く、返金不可の形で代金を徴収したほうが有利になります。そもそも仲介業は労働集約型のビジネスで人件費が先に出るからです。

 

なお、オンデックの最低報酬額については、以前は案件毎に設定という感じでした。もっと遡れば、譲渡金額〇〇万円の時、最低報酬額は〇〇万円といった感じで水準感を明示している時期もあったと記憶してます。

 

現在もHPでは個別に見積もりするケースもあるという趣旨の記載があるので、必ずしも最低2,000万円以上でないと請け負わないというニュアンスは筆者は感じませんが、依頼する前に条件を確認すべきと思います。

 

譲渡額別のシミュレーション

 

オンデックへ依頼した場合、時価純資産額別の手数料総額は以下のように計算できます。

時価純資産額5,000万円:2,000万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額1億円:2,000万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額2億円:2,000万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額3億円:2,000万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額4億円:2,000万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額5億円:2,500万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額10億円:4,500万円の手数料+着手金30万円
時価純資産額20億円:7,500万円の手数料+着手金30万円
※いずれも税別
※最低報酬額は規定の報酬額で計算

 

着手金は成功報酬に充当せず、中間金は成功報酬に充当するという手数料体系なので、「成功報酬額+充当しない費用」が実際に支払う手数料となります。

 

 

オンデックの手数料は高い?

 

オンデックの手数料が高いのか、という点について考えてみましょう。

 

まずは業界標準から。

 

最低報酬金額の業界標準

M&A仲介業を行う業者の最低報酬額の設定額は以前、中小企業庁から以下の分布図が公表されていました。

 

M&A仲介手数料の最低報酬額分布

引用:「M&A支援機関登録制度実績報告等について」(令和5年3月16日)

 

令和5年の資料なので古いですが、かなり仲介会社によって設定額が異なる傾向があると思います。

 

現在のオンデックの手数料水準である2,000万円という水準はこの分布図上は高めといえるでしょう。

 

とはいえ、現在では他の上場仲介会社の水準も最低報酬額で2,000万円や2,500万円といった水準なので、相場からすると他の上場仲介会社と同水準、非上場の仲介会社大勢と比べれば高い、というのが客観的な評価でしょう。

 

時価純資産レーマンの考え方

時価純資産レーマンというのが、譲渡する会社の時価純資産をもとにレーマン料率をかけ成功報酬を計算します、という計算方法を意味するなら、場合によって「株価レーマン」などよりも安い手数料になる可能性はあります。

 

どういうことかというと、「時価純資産」<「株価」となるケースは結構あるよ、という話です。

 

というのも、実際純資産相当の株価しかつかないという会社というのは、赤字が継続していたり、買手が結構渋めに値付けしたときに見られる株価であることも多いからです。

 

会社に1億円現預金があり、毎年2,000万円ずつ現預金が積みあがっていく会社を1億円で売る売主は普通いないと考えるのが自然ですからね。

 

黒字が継続していたり、そんなに会計上の資産を持たずに大きな利益を出せる業界、例えば、パソコン一つで利益を生み出す(無形資産が利益を生む)IT業などは、「株価」ではなく「時価純資産」に料率を掛けて手数料計算してくれたほうが売主側は得になることもあるということです。

 

ただ、それでもオンデックの場合でいえば最低報酬額2,000万円の設定があるわけなので、時価純資産や株価が4億円*を余裕で下回るというケースにおいては、M&A売却代金に対する手数料の割合が割高になるということは普通にあり得るわけです。

*4億円×5%=2,000万円となるラインだから

 

手数料をもとにした仲介会社の選び方としては、大まかな目安として譲渡金額が5億円に達しないケースのM&Aの場合、「(保守的に見た売却金額or総資産額)×5%」以下の最低手数料を設定している仲介会社に依頼するのが合理的でしょう。

 

 

オンデックは問題のある会社?

 

筆者が知る限り、オンデックで重大な事件に関わったという情報はありません。

 

M&A詐欺に関与した仲介会社やそういった事例を元に中小企業庁から処分の下った仲介会社というのも世の中にはいますが、そういう類の情報はないようです。

 

細かいところでいうとオンデックの営業について迷惑といった趣旨の情報はあったりもしますが、他の上場会社のクレーム数に比べればかなり少ないような印象もあります(従業員規模の違いかもしれませんが)。

 

M&A仲介会社が怪しく見えてしまう理由などについては、こちらでもまとめていますので興味があればご参考ください。

M&A仲介会社は怪しい?ヤバい?安全な見分け方【現場目線で解説】

 

オンデックのように紹介ルートでの案件受託が多い会社の場合、紹介者である金融機関や税理士事務所などが結構その仲介会社の評判を知っていることがあります。

 

紹介者というのは、M&Aの進捗報告やトラブルなどは共有されることも多いですし、売主から「紹介された仲介会社からこんなこと言われたんだけど」と紹介者に相談が来ることもあったりするので、M&Aの進め方の気になる点や担当者の質などについてリアルな情報を持っています。

 

もし、その紹介者がオンデックを紹介しようとしているのであれば、安心して紹介できる仲介会社として評価している可能性が高いようにも思いますが、仮に、オンデックにも紹介ルートを持ちながら他の仲介会社を紹介してくる紹介者と面識ができた場合には「なぜオンデックではなく〇〇を紹介するのか」の理由について聞いてみると本音の部分が聞ける可能性はあります。

 

 

紹介されたらどうすべき?

 

もしオンデックを紹介されたときはどう考えたらよいでしょうか?

 

筆者ならこうする

あくまで筆者の私見ではありますが、筆者が売主ならこう考えます。

・なぜ紹介されたのがオンデックなんだろう
 (手数料でいえばもっと安い仲介会社もあるのに)
 (規模でいえばもっと大きい仲介会社もあるのに)
 (エリアでいえば関西には他の仲介会社もあるのに)
・この紹介者はどのくらい紹介料をもらうんだろうか
・オンデック専任で進める合理性は?

 

筆者は、「M&A仲介会社を紹介されてほしい」と言われたら、「紹介経由じゃなくて直接契約した方が手数料安くなるんじゃない?」「もし紹介料が成功報酬の割合で決まるなら手数料の高い仲介会社を紹介してるんじゃないだろうか」と考えたりします。

 

オンデックは最低報酬額が2,000万円となっており、前述のM&A業界の最低報酬額の分布からみても安い仲介会社とも言えないため、そこを選ぶ理由については紹介者に確かめようとします。

 

また、これはオンデックに限らずですが、特定の仲介会社1社を専任で依頼するということは余程の理由がない限り筆者はしません。

 

ここでいう余程の理由とは、例えば、売手側が売却したい買手が1社しかなく、仲介会社がその買手の経営層と既にコネクションがあり、すぐに交渉に移れるとか、手数料を支払ったとしてもM&Aの成功以外の経済的メリットがある場合など、といった特殊な理由を指します。

 

とはいえ、こういったケースにおいても、その買手にコンタクトできるのはその仲介会社のみというわけでもないでしょうから、本当にその仲介会社がベストチョイスなのかは冷静に考えますね。

 

仮に、こういった特殊な事情がないのであれば、仲介会社を1社にするということは筆者ならしません。

 

M&A仲介というのは、M&A取引でいえば中間マージンなので、売主が仲介会社を使った時点で売手の手取りを減らす、買手の手出しを増やす影響があります。これはどの仲介会社もそうです。

 

ただ、仲介会社毎に手数料体系は異なるので、もし自力でM&Aを進めるのは難しいなら、手数料体系の違う複数の仲介会社に非専任で依頼し、もしその仲介会社間で買手候補が被るようなら手数料の安い仲介会社に打診させる、という方法を取り、買手候補先の広さと手数料の合理化を目指します。

 

まとめ

どのような基準で仲介会社を選ぶのかは人それぞれなので、「オンデック」1社でM&Aを進めてみるというのも間違った選択ではありません。

 

ただ、もし紹介者から「オンデックが一番です」「他社比較は不要です」と言われているのであれば、その理由を一度確認してみることをお勧めします。

 

とりわけ、「M&Aの売却で何億円も値が付く」という売主でないのであれば、仲介会社が設定する最低手数料については仲介契約を締結する前にきちんとシミュレーションしておきましょう。

 

これはオンデックに限らず、他の上場仲介会社であれば共通していえます。

 

強気に想定株価をみて2億円くらいだろうという売主が、買手からの意向表明書の条件提示やその後の買収監査後のディスカウントで最終的に1億円くらいに落ち着くというケースは筆者も何度も見ているので、最初から2億円の内から仲介手数料を払う想定ではなく、保守的に1億円の内から仲介手数料を払う想定をお勧めしてます。

 

最低報酬が高いと手取が減る可能性が高まるので、売主の心理として、買手との金額交渉の中で「あんまり妥協したら仲介手数料払うとうま味がないな」となり、条件交渉では頑なに値下げを突っぱね、結局買手がM&A交渉から降りてしまう、ということも起こりやすくなるからです。

 

仲介会社は決して安い金額ではないですし、M&Aは人生で何度も経験するようなことでもないので、「考えすぎ?」ってくらい考えても損はないです。

 

納得感のあるM&Aになるよう事前にM&Aの進め方を戦略的に練るようにしましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

M&Aの相談はどこにしたらいいのかもわからず、迷われる方も多いかもしれません。

 

筆者は元大手M&A仲介会社出身ですので、例えば以下のような質問に対して売主の立場からセカンドオピニオンも行っています。気になることがあればお気軽にお問い合わせください。

・M&A仲介会社が言っていることが本当かわからない
・担当者が頼りないんだけどどうしたらいい?
・保守的な株価ってどうやってみたらいい? など

 

最後まで読んでいただき有難うございました。

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