お悩み社長
ネットで色々調べる難しい説明が出てきますが(そもそも資本提携って言葉自体難しいですよね)
平たく言うと、資本提携とは株式の売買をして連携をしようということです。
「うちの会社の株?」とピンとこない人もいるかと思いますが、株式会社や有限会社で株が存在しないことはありません。最初に法務局に持っていた定款にはちゃんと書いてありますし、相続の際には必ず相続財産の一部として話題になります。
テレビなどでもやっているように、「株を渡すということ」=「他社にコントロールされるリスクを抱える」ということですので注意しましょう。
もう少し細かくいうと、過半数(50%超)を渡せば経営権を他社に渡したことになりますし、1/3(33.3%)超を渡せば株主総会での拒否権を渡すことになります。つまり、今まで通り勝手に役員報酬変えたりできなくなるわけですね。
資本提携というのは上記でいう経営権を渡す、というところまでは踏み込まないため、事業承継で会社を丸ごと渡したり、経営権を渡したりする行為(=M&A)とはちょっと違います。
ただ、最近流行りの「資本提携しませんかDM」は、M&Aに誘導する形を取っているのでそこはきちんと読み解かないといけません。
・資本提携を行うことで他社に経営をコントロールされることがある
・資本提携は経営権を渡すということではない(=50%越の割合で売買しない)
例えば、会社同士が「一緒に何かやろう」という時にはこんな感じで動くことがあります。
① 業務提携でまずは一緒にビジネスしてみる
② 資本提携で株式を一部譲ったり、持ち合ったりしてみて関係を深める
③ M&Aで経営権を全部譲り親子関係になる
徐々に相手を見定めていくので、その相手と一緒になると見込んでいるようなシナジー効果(相乗効果)が実現できるか、ということについても十分見ていく時間ができます。
筆者としても、本来こういう提携がM&A後ハレーションを起こさない上での一つの方法だと思っています。
ただし、両社の力関係があまりにも違い過ぎて、業務提携だけして自社のお客さんを全部持っていかれた、みたいな話になり得る状況であれば、「いきなり経営権を全部渡しますので両足突っ込んで下さい」というスタンスでM&Aを進めるのが中小企業では多いようにも思います。
シナジー効果を出す、ということは、「既存のお客さんに他社の商品・サービスを売る」、「お互いの技術を持ち寄り新しい製品を生み出す」、「両社の経営資源を有効活用して無駄をなくす」などですが、リスクの無い提携を目指したいものです。
ちなみに、M&Aの仲介会社が言う資本(業務)提携は100%株式を譲渡させて経営権を移すことを指していることが多いです。
M&Aコンサルタントに「うちは、資本提携ではなく業務提携できるパートナーを探している」という話をすると次から連絡が来なくなりますので、その辺は分かりやすいです。
取引先を増やしたいなどの業務提携などであれば、金融機関や商工会議所が主催しているビジネス交流会の方が良いかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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