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M&Aロイヤルアドバイザリーって実際どう?元大手仲介マンが実態を解説

 

この記事を読んでいる方は、「よくM&Aロイヤルアドバイザリーから営業が来るんだけど」という方かもしれません。

 

M&Aロイヤルアドバイザリーは急成長しているM&A仲介会社です。一方で、最低報酬額は2,500万円と業界でも高めの水準で、短期間でコンサルタント数も急増しています。

 

結論からいうと、コンサルタントの質も他社と比較した上で、売却価格が5億円未満になりそうなら、他社との比較は必須だと筆者は考えます。

 

その理由について解説したいと思います。

 

 

M&Aロイヤルアドバイザリーって何?

 

M&Aロイヤルアドバイザリーは、主にM&Aキャピタルパートナーズで経験を積んだコンサルタントが独立して作ったM&A仲介会社です。

 

筆者はM&A業界に長くいますが、近年になって、大手仲介会社から独立した方が作った仲介会社が大手並みの規模になってきているフェーズに入っています。

■仲介会社の源流
・M&A総合研究所→日本M&Aセンター出身者が幹部

・ペアキャピタル→日本M&Aセンター出身者が立ち上げ
・M&Aベストパートナーズ→M&Aキャピタルパートナーズ出身者が立ち上げ
・M&Aロイヤルアドバイザリー→M&Aキャピタルパートナーズ出身者が立ち上げ

 

日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズを第一世代とすると、今は第二世代の規模が大きくなっており第一世代と営業上コンペになっているような感じです。

 

こういった独立の流れを見ていて面白いのが、結構元々いた会社の「営業手法」や「報酬体系」に似ていることが多いということです。

 

日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズの手数料の最低報酬は2,000万円や2,500万円といった水準ですが、そこから独立してできた仲介会社も同水準であることも多いです。

 

1件当たりの案件単価を上げて、多くのコンサルタントを雇い、多くの広告費を投じて事業規模を拡大していく、という仲介ビジネスの成功例を模写することで成功がイメージできているのかもしれません。

 

一方で、こうした方法を採るとコンサルを短期間で大量に採用するので、コンサルタントによってサービスの質にムラができることもあります。

 

大手中心にM&A業界は人材獲得合戦が激しいので、場合によっては未経験者も多く採用し、M&A実務を経験していない人がいきなり現場投入するというようなこともあったりします。

 

ホームページに記載の内容によると、M&Aロイヤルアドバイザリーの場合は部長が完全に同行して新人コンサルもOJTで教育しながら対応するという方法を採っているようです。M&Aの場合は教科書で学ぶが難しい面がかなり多いのでOJTは効果的だと思います。

 

ただ、筆者も昔管理する側だったので、これは結構部長側が大変かなとも思ったりします。

 

部下が2、3人とかならまだよいのですが、5人以上とかになると、数十件以上の進行案件を全部キャッチアップすることになり、細かいフォローは実際難しい部分もあるからです。初回訪問とかトップ面談とかは同席すれば対応できる部分もありますが、デューデリジェンスの細かいQA内容や論点整理を全案件実務対応するのは普通に大変です。筆者なら無理です。

 

単独でM&A成約実績で数十件以上しているコンサルがついて回るなら大きなトラブルは起こりにくそうな気もしますが、「部長クラスのレベル感」「新人コンサルだけでどこまで対応するのか」などはよくみたほうがいい会社かなと筆者は思います。

 

コンサルの肩書はあくまで会社が決めているだけなので、A仲介会社の部長クラスよりB仲介会社の課長クラスの方が全然優秀、みたいなこともよくあるので、歴が浅い仲介会社ほど、その役職名には懐疑的な視点で見るほうが無難です。

 

また、新規営業についていえば、第二世代は第一世代よりも後発なので、第一世代が持つ金融機関や税理士事務所からの案件紹介ルートは持っていないか弱いことも多いため、直接営業としてDMや電話営業が盛んになる傾向もあります。

 

「よくM&Aロイヤルアドバイザリーから営業がくるな」と思う人は、実はこういう事情で営業が多い可能性もありますね。

 

 

なぜあなたの会社に営業がくるの?

 

なぜM&Aロイヤルアドバイザリーがあなたの会社に営業をしてきたのかは、あくまで筆者の推測の域を脱しないですが、筆者は以下のような理由ではないかと思います。

・M&Aの売案件として売れる可能性があるから
・同社が注力している業界・業種だから
・営業リストに入っていたから

 

M&Aの売案件として売れる可能性があるから

M&Aロイヤルアドバイザリーは売手側の報酬体系を「完全成功報酬」としています。

 

これはつまりM&Aが成立しないと仲介会社としては手数料が入ってこないということです(買手側は中間金有ですが)。

 

なので、どう考えても売れない会社に営業をするメリットはないと考えられます。

 

もちろん、会社が売れるかどうかを判断するために必要な情報には、あなたの会社の詳細な財務状況や組織の状況、ビジネスモデルや、株主が考える希望条件なども含まれるため、外部がうかがい知ることができないことも多いです。

 

なので、一概には言えないですが、例えば帝国データバンクや商工リサーチのような外販されている企業情報をみて、明らかにターゲット外の会社を除いた先に営業をしている可能性があります。

 

このあたりの可能性についてはこちらの記事でも詳しく説明していますのでご参考ください。

【元大手M&Aコンサルが解説】「資本提携したい」というDMの実態とは?

 

同社が注力している業界・業種だから

仲介会社が注力している業界・業種というのも営業対象となるかに影響を与えます。

 

というのも、M&A仲介は毎回売手毎に買手を探すマッチングという作業があり、この作業の手間を考えると業界・業種を絞った方が効率がよいとされています。

 

例えば、内装工事業の売手、葬儀業の売手、食品加工業の売手をそれぞれ買手探索するとそれぞれ別の買手候補をマーケティングし、抽出・リストアップし、打診しないといけないですが、葬儀業と一度打診した買手に他の案件を持ち込むというようなことができます。

 

とりわけ葬儀のようなだいたい同業が同業を買収するような業界であればあるほど効率がよいです。

 

営業リストに入っていたから

あとは、単に営業リストに入っていたから、という理由で営業が来ることも多いです。

 

M&Aの売手企業への営業までにめちゃくちゃ下調べするというケースは、全体の営業数から比べるとかなり少ないです。詳細を調べても受付さんにガチャ切りされたらそこで終わってしまうからです。

(営業される側からするときちんと調べてこいよ、とよくクレームになっていますが)

 

なので、営業は広く、営業トークも汎用的な形で入り、相手方がM&Aに関心ありそうだったらそこから調べて、営業訪問するという方法もM&A業界ではよく見られます。

 

 

M&Aロイヤルアドバイザリーの手数料

 

M&Aロイヤルアドバイザリーの手数料は、公表されている情報から以下となっているようです。

【譲渡側手数料】
・着手金:無料
・中間金:無料
・月額報酬:無料

・成功報酬:株価レーマン方式で計算
・最低報酬額:2,500万円(税別)

 

成功報酬のみなので、売手側は着手金や中間金を払うことなくM&Aを進められるのでその点は選びやすい仲介会社だと思います。

 

また、株価レーマン方式での計算となるので、負債の大きい会社の場合などでは総資産レーマンで計算する仲介会社よりも有利になる可能性はあります。

 

ただ、筆者が気になったのは最低報酬額の設定です。

 

同社ホームページには最低報酬額の記載がありません(2026/6/23確認時点)が、中小企業庁の登録支援機関データベースを見ると最低報酬額2,500万円とのことです。

 

売手企業の規模によってはこの最低報酬額が割高な可能性になることもあるので、筆者的にはこういう情報は会社のホームページには記載した方がいいと思っています。

 

譲渡額別のシミュレーション

 

M&Aロイヤルアドバイザリーへ依頼した場合、譲渡金額別の手数料総額は以下のように計算できます。

5,000万円で譲渡:2,500万円の手数料
1億円で譲渡:2,500万円の手数料
2億円で譲渡:2,500万円の手数料
3億円で譲渡:2,500万円の手数料
4億円で譲渡:2,500万円の手数料
5億円で譲渡:2,500万円の手数料
10億円で譲渡:4,500万円の手数料
20億円で譲渡:7,500万円の手数料
※いずれも税別

 

最低報酬額が2,500万円ということですので、いくらでM&Aを成立させたとしても最低で2,500万円の手数料が発生するということです。

 

5億円以下は5%の料率が適用されるレーマン料率の場合、2,500万円の仲介手数料というのは5億円で売却できた場合の水準感になるので、どう頑張っても5億円で売却できない会社(中小企業ではこのような会社の方が多数派だと思います)の場合は、割高な手数料を払うということになると思います。

 

最低報酬金額の業界標準

M&A仲介業を行う業者の最低報酬額の設定額は以前、中小企業庁から以下の分布図が公表されていました。

 

M&A仲介手数料の最低報酬額分布

引用:「M&A支援機関登録制度実績報告等について」(令和5年3月16日)

 

この分布図を見る限り、かなり仲介会社によって設定額が異なり、最低報酬額の中央値としては500万円程度とみることができます。

 

 

M&Aロイヤルアドバイザリーは問題のある会社か

 

筆者が知る限り、M&Aロイヤルアドバイザリーが近年報道されているようなM&A詐欺事件に関与したとか、中小企業庁のM&A支援機関の登録解除されたといったような重大な問題を抱えているという情報はないかと思います。

 

一方、営業電話やDMが多いというのはかなり前から言われており、筆者も全国の中小企業オーナーとお話する中で結構名前を聞く会社になってきたような気もします。

 

しつこい営業=問題のある会社ということなら否定できない部分もありますが、世間やM&A業界で騒がれる問題を頻発しているような仲介会社ではないと思います。

 

 

M&Aロイヤルアドバイザリーを使うべきか?

 

それでは、結局のところM&Aロイヤルアドバイザリーを使うべきなのでしょうか?

 

筆者はこう考える

筆者が売主だとしたらこう考えます。

・担当コンサルタントのレベル感を確認
・その担当を管理するマネージャーのレベル感を確認
・他の仲介会社ともコンサルタントのレベル感を比較
・担当が変わらないか、担当の過去の転職歴を確認
・複数社から株価査定を取得(可能ならM&A仲介じゃないところから)
・一番安い株価を基に仲介手数料を計算してみる
・あまりにも割高なら他の仲介会社を探す
・許容範囲なら、割安になる他の仲介会社も並列で依頼して進める

 

M&Aロイヤルアドバイザリーは、大手仲介会社でトップクラスのコンサルタントが集結ということをアピールしています。

 

ただ、コンサルタントのレベル感については必ず他社と比較してよく確認しましょう。

 

会社によって「トップクラス」の基準も異なるため、肩書きやキャッチコピーだけで判断するのではなく、担当者本人の経験や実績を確認することが大切です。

 

もっというと、成約実績といっても主担当として売手・買手ともにフロントで対応したのか、チームのメンバーとして成約に貢献したかも定義が曖昧だったりもします。とはいえ、この経験値の差は、あなたの会社のM&Aで不測の事態が起きたときの対応力にも繋がります。

 

本当に実力があるかどうかを確認するには、比較し、色々な質問をぶつけてみる必要があります。

 

レベル感についていえば、実際のところ大手仲介から他の仲介に転職するというケースも結構あり、その場合、コンサルタント個人レベルでは大手もそうでなくともレベル感は変わらないということがよくあります。

 

実はこれ、売主側がよく勘違いするところなんですが、レベルが高いから大手仲介にいくとか、レベルが低いから中小仲介にいく、とかは全くないといってもいいです。

 

というのも、M&A仲介会社はどこの仲介会社にいってもやる仕事は一緒なので、できるだけインセンティブ率が高い仲介会社や上場を控えておりSO(ストックオプション)が貰えるところで働きたい、とベテランほど考えるものだからです。

 

そして、待遇で職場を選ぶコンサルタントの場合、もっとインセンティブ率が高い仲介会社があれば他に転職することもありえますし、上場したらロックアップ外れたと同時に換金して転職するというようなこともありえます。あくまで良い報酬を求めて働いているので。

 

M&Aは早くとも半年~1年かかるものなので、自社のM&A検討を進めている最中で担当コンサルがよく転職するような人なのか、なぜその仲介会社で働いているのかの動機は筆者なら気になります。

 

また、M&Aロイヤルアドバイザリーの場合、最低報酬額が2,500万円なのでこれが許容できるかも検討します。

 

まずはリアルな想定株価を試算し、保守的な想定株価でもその仲介手数料が割高でないかを確認します。

 

この時、仲介会社に株価を試算させるのも方法の一つですが、仲介会社によって評価手法や前提条件が異なるため、結果として株価が高めに算定されることもあります(実際のところ株価はある程度操作できるものですから)。利害関係のない業者にきちんとお金を払って第三者的な株価査定をさせるのもよいでしょう。

 

そこで出てきた株価を基に、最低報酬額が高すぎないかを確認します。

 

概ね、5億円程度の株価であれば、譲渡額レーマンで仲介手数料2,500万円となり、M&Aロイヤルアドバイザリーの手数料と並びます。なので、5億円以上の株価想定なら、M&Aロイヤルアドバイザリーや他の最低報酬2,500万円以下の仲介会社と仕上がりの仲介手数料が同じくらいになりそれほど割高感はなく、5億円に遠く届かない株価想定ならもっと最低報酬額の安い仲介会社を探します。

 

仮に、M&Aロイヤルアドバイザリーを利用するというケースでも、他の仲介会社経由でも同時に買手リストを出させて、買手が重複する場合には、一番仲介手数料の安い仲介会社に優先的に買手打診させることで、売主としての手取りを最大化させます。

 

あくまで筆者なら、という話ですが、ご参考いただけると幸いです。

 

 

売主にとってM&Aというのは人生に何度もあることではないです。

 

それゆえM&A仲介会社については、十分に比較した上でその仲介会社を選んだかそうでないかという検討プロセスは、M&Aを進める上での自分自身の納得感や満足度にもつながるものです。

 

目安として特別な事情がなければ少なくとも3社以上には声をかけて仲介を見定めるというのは大切かと思います。

 

「どこに依頼するか」で、最終的な手取り額が何千万円も変わることがあります。

 

M&Aに関する素朴な疑問や、M&Aを進める上で不安なことがありましたら下のボックスから筆者に非公開で質問もできますので是非ご活用下さい。

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