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「法的な責任を問われる!?」M&Aで売手が絶対やっちゃいけない危険な行為

お悩み社長

M&Aで絶対やっちゃいけないことってある??

 

前回、前々回で、これから会社を売却しようとしている人が「マナー的にやらない方が良いこと」「メリットが無いのでやらない方がいいこと」をお伝えしてきました。

 

まだ読まれていない方はこちらをご参考下さい。

「それはマナー違反かも!?」売主が知っておきたいM&Aのマナー 【売手版】M&Aでやめておいた方が良いこと6選

 

今回は、場合によっては法的な責任を問われる「絶対やっちゃいけないこと」について解説していきます。

 

M&A仲介会社を利用してM&Aをする場合には、コンサルタントの方が契約書などを用いて説明するのでさすがにやらないだろう、と思われるようなことですが、M&A仲介会社を利用しない方もいらっしゃると思いますので、是非ご一読いただき、注意していただければなと思います。

 

それではいきましょう!

 

売手が絶対やっちゃいけない行為

 

反社の可能性がある人とは絶対に取引しない

当たり前なのですが、反社(反社会的勢力)の可能性がある人が絡んでいる買手とは取引してはいけません。

 

あなたが売却した会社が犯罪に悪用される可能性があるかもしれませんし、売却した本人も反社から金品を受け取るのであらゆるリスクが付きまといます。

 

頭では分かっていても実際にお金を積まれた時に断れるかどうかの問題もあるので、一応挙げておきました。

 

M&A仲介会社は自社の信用問題にも繋がるので、反社やそれに関与している可能性がある買手や売手とは取引しません。なので、M&Aはしたいけど仲介会社に相手にしてもらえない買手企業は直接交渉を持ち掛けてくる可能性もあります(直接交渉してくる買手はみんな反社といっている訳ではないのであしからず)。

 

自分で取引相手を見極める際には、反社やそれに関与している人が在籍している会社かどうかはきちんと自分で調べましょう。

 

これはいわゆる「反社チェック」と言われる調査ですが、相手先の会社や経営幹部や株主が過去犯罪に関わっていないかをネットで検索してみたり、日経テレコンなどで過去その会社や人物が新聞などの媒体に掲載されたことがあるかをチェックしてみたりと、自分でできることもいくつかあります。

 

面倒かもしれませんが、意外とチェックしてみると怪しいと思われる人は世の中にたくさんいますので注意しましょう。

 

買手や仲介会社にウソの情報を伝える

取引相手を誤認させたり、誤認させることに繋がる行為は絶対やっちゃいけません。

 

M&Aは買収監査という買手が細かくチェックする作業がありますし、売却した後は買手が運営していくわけなので、基本的についたウソはバレますからね。

 

また、最終契約書でも売手の補償条項なんかもあったりするので、しれっといい値段で買ってくれてその後何も言われる可能性がない、という状況は普通に考えて起こり得ないので、全て正直ベースで対応するようにしましょう。

 

買手側から見て、「なんかこの人言っていることが辻褄合ってないな」とか「人間的に信用できないな」と一度でも思ったりすると、それ以降次第に疑心暗鬼になっていくものです。

 

取引自体が「相手方が信用できない」という理由で破談になるケースもあったりします

 

今後買手がその会社を引き継いで上手に運営していく観点では、買手側がもういいですよ、っていうくらい売手側から今後起こりうるリスクを伝えてあげるくらいがちょうど良いくらいかもしれませんね。

 

基本合意後に他の買手候補と交渉

どのような形で基本合意をするかにもよりますが、「独占交渉権」の規定のある基本合意だった場合には、基本合意以降他の買手と交渉してはいけません。

 

買手としては、基本合意後行う買収監査でお金をかけるのに、「実は他の買手候補と交渉しててそっちで決まっちゃいました~」となったらたまったものではないですし、実際そんなことが発生した場合には問題になる可能性が高いです。

 

M&Aで場数を踏んでいる買手であれば、売手が他の買手と基本合意を結びましたとなれば「じゃあ、もし破談になってしまったら声かけて下さいね」という展開もあり得るので、きちんと状況を説明するようにしましょう。

 

たまに、買手候補を失うリスクを恐れて、曖昧な対応ではぐらかせつつ、他の買手と独占交渉をしていることを隠そうとする売手の方もいらっしゃいますが、買収監査以降でもそれなりに時間は要するものなので、正直に伝えて待っていていただくようお願いしましょう。

 

基本合意後に重要な資産の売却、大規模な借入等

これも基本合意書を取り交わす場合には一般的に明記される項目にはなりますが、基本合意以降の具体的な交渉段階で、大きい借入をしたり、大規模な設備を購入・売却したり、人員を大量に採用・離職させる、などは無断でしてはいけません。

 

なぜならM&Aの前提を揺るがす可能性もあるような重大な話だからです。

 

会社のバランスシートも大きく変わる可能性もありますし、そもそも買手からしたら期待するようなシナジー効果が得られなくなってしまいM&Aをする意味が無くなってしまう可能性もあるので当然ともいえます。

 

とはいえ、運営する上で運転資金を借入しないといけない、とか、コピー機が故障して業務に支障が出るので買い替えるとかは普通に起こり得ると思いますので、些細なことでも買手に相談しながら進めるようにしましょう。

 

どのくらいが重大な行為なのかは、受け手の感じ方も関係するので丁寧過ぎるくらいの対応を心掛けましょう。

 

譲渡前に従業員の給与を上げる

当然ですが、譲渡する前に買手の意向によらずに、従業員の給与を上げるようなことはやめましょう。

 

最後に良い格好しようと想いもあるかもしれませんが、買手にとっては大問題になります。

 

また、これに関連して、これから会社を譲渡する売手オーナーが、

「いままで従業員にはお世話になったから特別賞与を渡したい」

みたいな申し出をすることがたまにあります。

 

自分だけ株を売却してお金を手にすることに少し後ろめたさがあるのかもしれませんが、今後の会社の為、買手の為を考えるとこれも慎重に考える必要があります。

 

筆者もサラリーマンだったこともあるので分かるのですが、多くの従業員は一回特別ボーナスなんかをもらっちゃったら「次にいつ貰えるんだろう」とか考えちゃいますよね。

 

従業員にお金を渡すことは報酬に対する期待値を上げることにも繋がり、将来的に買手の首を絞めることにもなり得ますので、会社の財務や買手の負担を考えると安易にお金を配るようなことは避けた方が良いと言えます。

 

どうしても特別賞与を出したい、ということであれば、売手株主への譲渡金額を少し引き下げて賞与分を捻出するか、税引後のポケットマネーという形で払うことを買手と相談してみましょう。

 

お金の配るときの説明についても、売手オーナーとしては「最後に私からの感謝の気持ち!」と大盤振る舞いをしたい気持ちもあるかもしれませんが、これから会社を経営していく買手ではなく求心力が会社を去る売手オーナーに集まるようなお金の配り方は会社の取り組みとしてはよろしくないので注意しましょう。

 

譲渡前に買手企業(上場)の株を買う

買手が上場会社の時に限られますが、基本合意書締結前やM&A成立前に、売手が買手企業の株を買うのはインサイダー取引になりますので注意しましょう。

 

「バレないだろう」とか思っている方もいるかもしれませんが本当に捕まります。証券取引等監視委員会をなめちゃいけません。

 

たまに、儲けようという下心が無くても「買手の話を聞いているうちに応援したくなったから、株主として応援しようかな」という考えで買手企業の株を買おうとしている人もいたりしますが、理由はどうあれ公表されていない情報を元に株取引をすれば問題になります。

 

公に公表されてから市場で購入するか、あまり多くないですがM&Aの取引対価を現金ではなく買手企業の自社株にするなど、他の株主に損害を与えずに正式な形で株式を取得するようにしましょう。

 

なお、上場会社の買手がM&Aを公表する際には、証券取引所の適時開示の規定に照らし合わして行いますので、売却する会社の規模感なども踏まえて、いつM&Aの内容が公表されるのか(もしくは公表されないのか)も買手と相談しながら公表有無と時期を把握しておくとよいと思います。

 

売却した会社(事業)と同じような事業を始める

道義的にはどう考えてもダメですが、競業避止義務違反で責任を問われることもあります

 

今までその事業一筋で稼いできた、という方が会社を売却して仕事がなくて困った結果、売却した会社や事業と同じような事業を始めるというのは有り得そうな気もしますが、買手からすると売却した会社の強みも弱みも知っている人が競合会社を立ち上げる、というのは脅威でしかありません。

 

どうしても同じような事業をしたいということであれば、競業避止義務の規定を軽減(期間を短縮、エリアを限定、業種細部に限定など)することを最終契約書の締結段階できちんと取り決めしておきましょう。

 

あと、競業事業でなくとも、売却した会社の従業員を引き抜く行為は問題になりますので行ってはいけません。

 

いくらで売ったか言いふらす

たまに、高い価格で売却できて気分がよくなってしまい、いくらで売却したかを仲のよい方に言ってしまう方がいます。

 

IR情報として公表したものを除き、金額なども含めた取引条件は公にはしないものと覚えておきましょう。

 

最終契約書上の秘密保持義務違反になる可能性もある他、売却した会社の従業員に伝わってしまいモチベーションを下げてしまったり、宝くじと一緒で変な勧誘が増えたりとデメリットも多いです。

 

一人で通帳を見てニヤニヤする程度がちょうどいいですかね。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

M&Aは取り決めする都度、契約書を締結しますが、この契約書に違反していなければ何をやってもいいという訳ではありません。

 

思わぬトラブルを避けるため、誠実かつ慎重に取り扱うことをお勧めします。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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