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【2022年4月~】事業承継・引継ぎ補助金の受付開始!

 

今年もいよいよ「M&A補助金」こと「事業承継・引継ぎ補助金」が始まります。

 

これから「M&Aをしよう!」と思っている人にとっては金銭的なメリットも多い補助金ですので、是非抑えておきましょう。

 

詳細は以下の特設ページから公募要領・交付規定をご確認いただければと思いますが、筆者が日本一分かりやすく(?)解説していきたいと思いますので、大枠をまずは理解したいという方は今日の内容をチェックしていただければと思います。

参考 事業承継・引継ぎ補助金(外部サイト)事業承継・引継ぎ補助金事務局

 

それではいきましょう!

 

どんな時にいくらもらえる補助金なの?

 

本補助金は以下の3タイプから選べます。

①経営革新事業(補助率2/3、上限額600万円以内)

②専門家活用事業(補助率2/3、上限額600万円以内)

③廃業・再チャレンジ事業(補助率1/3、上限額150万円以内)

 

①は買手企業向け、③は廃業する前提ですので、M&A業者を使ってM&Aをしようとする売手・買手にとって広く使えるのが②です。

 

「M&Aを自分で全部やるよ!」っていう人は普通600万円も使わないんですが、M&A業者の手数料って高いので、そこも意識した補助額になっています。

 

M&A業者へ支払う手数料以外にも、相手方と面談するために出張した交通費・宿泊費とか、M&Aのプラットフォームの利用料とかも補助の対象にできたりします。

 

さらに、今回から(?)表明保証保険に加入する際の保険料も補助対象になりました。表明保証保険について詳しくは下の記事からご確認いただければと思います。

「M&Aで使える保険があるの!?」表明保証保険を付けてくれる仲介会社ってどこ?

 

M&Aってすごいお金かかりそう、と思っている方もいるかもしれませんが、売手側・買手側がM&Aで進める上で支払う主な費用はだいたい補助対象にしてくれているので、使わない手はないかなと思います。

 

 

決められた期間内にM&Aが実現しなかった場合でも300万円の上限で補助が出る

一応今回の規定では、期間内(2023年1月31日まで)にM&Aが成立しなかった場合も補助金が出る仕組みになっていて、補助上限額が600万円⇒300万円で補助が受けられるようです。

 

なので、M&Aは成立しなかったけど、相手方と基本合意をして手数料が発生した、とか、トップ面談で色んな場所に移動したとかで費用が発生した場合には補助金が使える可能性があります。

 

ただ、補助下限額が100万円(補助率2/3なので、費用でいえば150万円)となっているので、交通費とかだけで補助金を使うのは難しそうな印象です。

 

 

誰が使える補助金なの?

 

この補助金は普通の中小企業であればほぼ使えます。

 

じゃあ、普通の中小企業でどんな会社?というと以下のように定義されています。

※引用:令和3年度補正予算 事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用事業【公募要領】

 

例外規定として、課税所得の年平均額が15億円と超えていたり、資本金が5億円以上の法人に株式保有されている法人は対象外になっています。

 

利益で見ても大企業並みに稼いでいたり、ある程度の規模の法人の子会社になっていたらダメですよ、ということですね。親会社と子会社が合併するとかでもダメです。

 

あくまで、日本でみたときの平均的な規模感の中小企業が事業承継とかで困ってM&Aするということが念頭に置かれている感じです。

 

主な注意点としてはこんなことがありますので、注意しましょう。

 

M&A支援機関を使わないと補助金が使えない

どんなM&A業者を使っても補助対象になるわけではないです。

 

悪質な仲介業者なんかも増えているので、中小企業庁では「M&A支援機関制度」というのを開始しています。

 

これは、健全なM&Aを提供するために「中小M&Aガイドライン」を守らせる代わりに、その業者を使ったお客さん(売手・買手)が補助金を使えますよ、という制度です。

 

こちらのデータベースで公表されているM&A業者でないと補助金が使えませんので、まずは確認してみてください。

参考 登録機関データベース(外部サイト)中小企業庁

 

おそらくですが、国内にいるほとんどのM&A業者はみんな登録しているので、「今やり取りしているM&A業者は登録ないじゃん!」みたいなことはあんまりないと思います。

 

万一、登録していない業者を使おうとしていた場合は、補助金も使えない覚悟で使わないといけないのを覚えておきましょう。

 

不動産M&Aには使えない

従業員の引継ぎも発生しない、不動産だけのM&Aには使えません。

 

これは例えば、店舗の居抜き物件だけ譲渡しますみたいなのもダメですし、賃貸不動産を保有している法人を株式譲渡するみたいなのも従業員の引継ぎが無いとダメです。

 

(これは合法ですが)不動産所得税とか登録免許税を節約する目的で、不動産売買ではなく不動産M&Aにしている買手企業なんかもいたりするので、「それはM&Aとは言わせないよ」というメッセージになります。

 

あくまで、従業員の雇用を維持する、取引先との取引を継続するなどして、会社の生み出している役割をM&Aで継続させてあげよう、という趣旨もありますので、テクニック的に使うM&Aでは補助金は使えないと思っておくとよいかと思います。

 

 

いつから申請できるの?

 

2022年4月中旬から申請受付開始を予定しているとのことです。

※引用:中小企業庁「令和3年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表します」

 

以前、下の記事でもご紹介したのですが、「jGrants(jグランツ)」の登録が済んでない人は今の内にやっておきましょう。

「M&A補助金申請するならjGrants(Jグランツ)の登録期間に注意!」補助金申請の仕方まとめ

 

この登録だけでも1~2週間かかってしまうこともあるので足止めされないように事前にやっておいた方が得策です。

 

 

なお、この期間中にM&Aをしてくださいねという期間(補助事業期間)も設定されており、今回は2023年1月31日までとなっています。

 

M&Aはスムーズにいっても数か月~1年程度かかりますので、逆算すると、この申請をしてからできるだけスピーディーに進められるとよいかと思います。

 

 

申請期間が4期間設定されている

今回、申請期間が4つ設定させている旨が明記されています。

 

なので、「今回の申請に間に合わなかったから、来年までM&Aは待つかー」ということはしなくてもよいかもしれません。

 

M&Aはいつ検討し始めるか分からないですからね。

 

以前は、春先くらいの申請した分は年内にM&A成約しないと補助金でませんよ、で、その春先の申請を逃したら次いつ申請が開始されるか分かりませんよ、みたいな作りだったので、スケジュールが調整しにくいM&Aにおいては結構使いづらかったところがあります。

 

こちらの特設ページで申請時期については最新の情報が更新されるようなので、M&Aを検討しようかなという段階でこちらもチェックしましょう。

参考 事業承継・引継ぎ補助金(外部サイト)事業承継・引継ぎ補助金事務局

 

 

注意点

 

上記以外にも色々注意しないといけない点はあるので、主なものについて解説します。

 

一定期間内に発注・支払をしないといけない

 

※引用:令和3年度補正予算 事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用事業【公募要領】

 

この補助金を申請して、交付決定日(つまり「補助金出せますよと回答をもらった日」)から、M&Aをする予定の一定期間(補助事業期間)内に業者に発注・支払をしないと補助金が下りないということです。

 

なので、補助金出せますよと事務局から回答を貰う前に発注しちゃったり、一定期間が過ぎた後に支払をするケースなんかは補助金が出ないことになります。

 

M&A業者は大体が成功報酬なので、M&Aが成立してから手数料の大部分を支払いますので、当然ながら、この期間内にM&Aを成約させる必要が出てくる、ということになります。

 

相手先が決まって具体的な話が進んでいる場合を除いて、この補助金を申請する時点でいつM&Aが成立するかなんて誰にも分からないので、とりあえずM&Aを検討するなら申請しておいて、期間内にM&Aが成立できるように頑張る、ということだけかなと思います。

 

売手も買手もこの補助金を申請していれば、●月●日までは補助金出るからという理由で、売手は少し安くても妥協できるかもしれませんし、買手は少し高めに価格提示できるかもしれません。よってM&Aが決まりやすくなる効果もありそうですね。

 

 

 

類型番号を間違えないこと

 

例えば売手側の場合はこんな感じで番号が振られています。

この申請方法を間違えてしまい、後から類型番号を変更しようと事務局に依頼するも変更できないという方が結構いらっしゃったりします。

 

M&Aのスキームに詳しい中小企業オーナーはあまりいないので、聞きなれない言葉も多いはずです。この点は間違えないよう、依頼するM&A業者に確認するか、事務局に確認して進めるのが無難でしょう。

 

なお、M&Aをしている最中にスキームが変わることもたまにあります。

 

例えば、簿外債務が大きすぎて買手企業が株式譲渡を嫌がるケースなどで、事業譲渡に切替えて検討を進める必要が出るケースなどです。

 

こういった可能性がある場合には、変更対応できるかどうかは事前に事務局に確認しておくのがよいかと思います。

 

 

M&A業者からは相見積もりを取ること

M&A業者の手数料が適正か補助金事務局でも確認しているようで、2者以上の相見積を事務局に提出必要があります。

 

例外規定もありますが、普通に考えて売手も買手もM&A業者に高い手数料を払いたくないはずなので、この辺は自主的に感度を高くしておいた方がよいと思います。

 

参考までにM&A業者はこんなところがあって、手数料このくらいだよ、という記事も張っておきます。

「M&A仲介会社の手数料一覧表」決定版!!

 

M&Aいろは塾では、「M&A業者って手数料取り過ぎじゃない?」という観点で色々情報発信をしていますので、もし興味のある方は他の記事もご覧いただけると役に立つかと思います。

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

M&Aを検討している方にとっては朗報ですので、是非お役立て下さい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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