M&Aいろは塾を作ったきっかけ
筆者がM&Aいろは塾というブログを作ったきっかけは、中小企業の売手オーナーがあまりにもM&A現場のリアルな情報を知る手段がなく、「食い物」にされているな、と思ったことです。
今でこそ実際に売手オーナーが詐欺に遭うなどの重大な事件が発生していますが、そんな話題もまだなかった2020年から発信しています。
ここでは、今回は筆者がそもそもこのサイトを作ったきっかけについてお伝えしていきたいと思います。
当ブログの記事を書いている筆者の”人となりと考え方”を理解していただく記事なので、こういう考えのコンサルタントもいるんだくらいの軽い気持ちでお読みいただけると嬉しいです。
M&Aいろは塾がどんなM&A仲介をしているかについては、こちらもご参考ください。
M&A業界は怪しい業界になっている
突然ですが、筆者は過去6回くらい引っ越しをしています。
引っ越す度に不動産仲介業者に行くわけですが、そこでは毎回嫌な思いをしているような気がします。
それは、仲介業者が「できるだけ手数料を取りたい」のがみえみえな営業で強引に特定の物件を勧めてきたり、「これだけ払ってくれたら先約がいますが交渉します」という変な交渉を持ち掛けてきたり。
挙句の果てには、明らかに仲介業者に落ち度があるようなことが起きても開き直ってきたり、契約後は知りませんみたいな態度を取られたりしました。
退去の時だって、契約時には返ってくると説明を受けていた保証金が返ってこず、「文句があるなら裁判もできますがもっと高くつきますよ」と言われ泣き寝入りしたこともあります。まだ何も知らない学生時代でした。
皆さんも経験あるのではないでしょうか?
もう今後取引することもないだろうから何と思われようが自社の利益を最優先にする営業。
さすがに何回もこのような経験を積むと、単に担当者が良くないというよりも、業界そのものが異常な業界なのではないかなと思うようになってきました。
業界そのものを考えたとき、不動産業というのは一般消費者にとっては一回ポッキリの取引であるということに気付きました。
家なんてそんなに何度も買うものでもないですし、部屋を借りるにしても同じ場所で何度も引っ越すケースはまず無いはずです。
だから、不動産業界では、「その取引さえ完了してしまえば、後でどういわれようが関係ない」という意識でひたすら利益を追ったり、そんな人達に囲まれて、早く成績を出さないとという意識から、「不動産取引なんてこういうもの」と割り切って仕事をしている方向に振れている人が出てきてしまうのだと。
(もちろん、そういう人ばかりではないと思いますが、筆者は「多い」と感じています)
不動産業者の立場になって考えてみます。
もう今後取引などないであろう買主・借主に気に入られたところで経済的メリットはない一方で、値引きもなくすぐに購入者を決めた、すぐに入居を決めたとあれば売主・貸主から次も仲介を任せてもらえるといった経済的メリットがあるはずです。
だから一方の顧客に不誠実な対応をして利益を得るのも業者にとっては合理的な行動になってしまうのです。
顧客を満足させて対価を得ることが商売、と考える人からするとこれはめっちゃ違和感。
不動産業は歴史も長いですが、色々法律やガイドラインもできたりしているのに、不動産取引を巡る消費者のトラブルが多いのはこういう業界構造自体に問題があると筆者は考えました。
さて、M&A業界はどうでしょうか?
会社を売る経験なんて人生であったとしても1回あるかないかです。売主側についてはリピートなんて普通ありませんし、サービスの特殊性から他の仲介業者との比較なんて簡単にできません。
さらに、M&Aコンサルタントは特殊な資格が必須でもなく、規模の小さいM&Aでも成約すれば数百万円、それなりの規模になってくると数千万円以上という報酬が手に入るという業界です。
「あれ、これって不動産業界と一緒なんじゃないの?」と筆者は思いました。
リピートがあるかないかでいえば、立場が弱い「不動産の買手・借手と同じM&Aの売手」、立場の強い「不動産の売手・貸手と同じM&Aの買手」という位置関係です。
で、案の定、
「買手いるというようなデマを商談で持ち出された」
「どう考えても高い手数料なのに業界標準だと説明された」
「仲介依頼したのに伝書鳩」
「説明を受けていない手数料を請求された」
みたいなクレームが大量に発生しているというのが今の現状です。
M&A業界でもガイドラインができたり自主規制団体を作る取り組みなども始まっていますが、それでもなお問題は起き続けていますし、挙句の果てには「M&A詐欺」として事件化しているような話も1つや2つでもなく起こっているという現状です。
なんで問題が起こり続けるか、これって理由があるんです。
それは、シンプルにいうと「M&A仲介のビジネスモデルで効率よく稼ぐやり方」と、「顧客側が業者側に求めるサービスの質や倫理観」、これはどうしても相反する、部分が大きいのがそもそも原因なのです。
倫理観のバグったやり方で成果が出てしまう、だからやめられない。
他社が強引なやり方で業績を伸ばしているのを尻目に誠実にM&Aをやっていていいのか悩む同業他社。
コンサルタント個人で考えても、成約させなければインセンティブは無し。
成約しないコンサルは会社ではお荷物扱い。
そんな環境で「倫理観を持ってM&Aを推進しよう」が浸透するのでしょうか。
筆者はこれはビジネスモデルの問題だと思っています。
そんな中、問題が起きる商習慣を作ってきた大手仲介がこれみよがしに「自主規制団体」を作っても、こんな体裁で何か根本的に変わるのは難しいでしょう。
売主がM&A業者を選別すると業界が変わる?
M&A業者が「金!金!」となっているなら業者を変えることは残念ながら難しいです。
でも、そういう業者を選ぶ側の顧客が厳しい目を持ったらどうでしょうか?
筆者は、実はこれが一番効果的だと思っています。
M&A仲介会社というのは、会社や事業を売却しようとしている売主からの依頼がなければ何も始まりませんし、売上も立ちません。
だから売主が業者を見抜けるようになると一番根本的に業界が健全になるなと思いました。
そこで、「M&Aいろは塾」を作ったというわけです。2020年のことです。
M&A仲介ビジネスの仕組みも業者目線でかなり早い段階から世の中に公開しています。
儲けの仕組みをバラされたくない同業から見ればただの暴露記事。
でも、売主が業者に騙されず対等にやり取りできるために必要な情報源。
そういう存在です。
そして、筆者やM&Aいろは塾に関わるパートナーコンサルタントは、もともと大手中堅仲介会社でも経営層・マネージャークラスのコンサルタントなので普通に仲介もできます。
だから、「そんなに高い仲介手数料を取らなくても仲介ってできるでしょ」ということでM&Aいろは塾として仲介業務を請け負うこともしています。
M&A仲介会社って、基本コンサルという個人事業主の集合体で、成約したら大半を胴元である仲介会社に吸われるという構造でもあるので、独立したメンバーでやれば個人の実入りを減らさず、顧客から徴収する手数料を大幅に下げることができるんです。
大手中堅の仲介会社は口が裂けても言わないと思いますが。
業界でも数十件以上の成約実績があるコンサルタントは稀有な存在ですが、そのコンサルタントが担当して最低報酬は300万円。これで過去1件もトラブルや係争事もなく、M&A実績が積みあがっているという成果につながっています。
M&A仲介の料金と質の関係
「M&Aって難しそうだから、料金高いのは当たり前」
「コンサルタントは安かろう悪かろう」
そう思っている方もいるのではないでしょうか?
もし筆者が大手仲介会社のコンサルならそういう話をするかもしれません。
だってこれ、単に安い業者を使わせないためのポジショントークなんですから。
料金が高ければ良いサービス、安ければ悪いサービス、なんて単純じゃありません。M&A仲介業は。
ただ大手仲介会社に所属しているというだけで新人コンサルタントが担当しても高い料金を取られることもあれば、独立した経験値の高いコンサルタントが安い料金で受けてくれるなんてことも普通にあります。
こういう料金の高さとサービスの質を考えるときは、ポジショントークなしで話をしないと混乱するだけです。
事実だけでいうとこういう関係があります。
・売手の料金が安いほうが依頼者の手残りは多くなる(当たり前)
・買手の料金が安いほうが提示条件が良くなる可能性がある
・買手は仲介手数料が高すぎるという理由で案件見送りすることがある
・高い仲介会社だから買手から良い条件を引き出すということはない
仲介手数料というのは、M&Aの売手・買手からしたら単なる中間マージンです。
売手からしたら、同じ買手と交渉するならできるだけ安い手数料の仲介を通したほうが得です。
手数料が高すぎる仲介会社を使うと、売手の手取りも、買手の提示価格も大きく影響しますし、買手が手数料を理由に検討辞退すれば売手の機会損失につながります。
だから料金は安ければ安いほど正義なんです。売手にとっては。
高いか安いか、これはきちんとしたデータから比較するのがよいので、M&Aいろは塾では忖度なしで分析しています。興味のある方はご参考ください。
一方で、じゃあ知識や経験がない、仕事をしないコンサルタントに任せるのはどうなん?というとそれはダメです。
料金に関係なく、きちんと知識や経験があるか、きちんと動いてくれるか、を見定める必要があります。
ここが一番難しいんです。
だからこの見定めを「大手だからきちんとしてるだろう」で解決する人がめっちゃ多い。
だって楽だからです。
で、担当が残念なコンサルタントだったりすると「話が違う」となるわけです。
M&A成立してから「こんなに手数料払うだけのサービスだったか?」となるわけです。
違うんです、それはM&A仲介の見極め方が間違っていたってことなんです。
知識や経験は30分も話せば見抜けることもあるでしょう。でも、どんな姿勢でM&A支援に臨むの?倫理観は?
M&A仲介の質って、
「適切なタイミングで適切なアドバイスはもらえたか」
「アドバイスの内容は正しかったか」
「自分の理解度に併せた説明の仕方だったか」
「極端にリスクを負わされてないか、リスクを負う場合は自分が納得した上で判断したことか」
「仲介なのであれば自分が交渉されたり、相手に交渉したりしたことは無かったか」
というような、後から評価される内容で初めて判断できると筆者は考えます。
でも、仲介業者を選ぶ段階でこの姿勢を感じられなければいけないですよね?
でも、これを感じるためには、ある程度M&Aの知識がないとできない深い会話が必要です。
だから、業者目線の情報が最初に必要なんだと筆者は思っています。
筆者はM&Aいろは塾というブログ形式で情報発信して「こいつなら大丈夫そう」と思ってもらえることもありますが、理想的な話でいえば、全コンサルタントが個人で情報発信して、その内容をみて売主が仲介を任せるかを決める、という方が、後から裏切られたと感じにくいのではないかなと思います。
匿名でブログをしている理由
最後に、M&Aいろは塾を匿名で運営している理由について。
これは、M&A業界の舞台裏も熟知した筆者が正直ベースの話がしたいからです。
忖度なしで、おかしいものはおかしいと言いたいわけです。
このブログに書かれていることは筆者の実体験や事実が根拠になっています。
一部、問題点を強調して書いている部分もあるので、「極端な考え方」に捉える方もいると思いますが、これは敢えて売手オーナーに警戒心を持っていただくような言い回しをしている意図もあるのでご理解ください。
ちなみに、こうした「本来売手オーナーが知っておくこと」や「業界の問題点」を指摘するブログというのは、一部の仲介会社などにとっては都合の悪いものです。
実際自分の会社に不都合な内容を書かれたといってスラップ訴訟という法的恫喝をしてくる仲介会社も過去ありました。
筆者が事実を書き、それで会社の信用に傷か付いたと恫喝をしてくる、そして真実を語る情報はネットから消滅する。
こんなことがM&A業界ではずっと続いています。
だから当たり障りのない情報しか目にしないのです。
これで損するのは売手オーナーですし、儲かるのは恫喝している仲介会社です。
これはやっぱりおかしいと筆者は思うので、敢えて正体を明かさずにブログは運営しているという状況です。
とはいえ、訴訟の対応をしていると時間も取られるので、ネットで閲覧できるのはある程度の範囲にとどめています。もっと突っ込んだ話が聞きたい方は筆者までお問合せください。
まとめ
色々と筆者の想いも伝えてしまいましたが、
「なんかこの人のいうことは本当のことを言ってそう」
「仲介会社から営業を受けてもやもやしてたけど霧が晴れた」
と言ってもらえることも多いので、悩みがある方はご相談いただければ真摯に対応します。
また、コンサルタントや仲介会社も色々なので、筆者がいうことが絶対だとも思ってほしくないです。
色々な方とお話された上でご自身の今後、会社の今後を決断してください。
是非納得するようなM&Aを実現していただければ筆者は嬉しい限りです。
最後までお読みいただきありがとうございました!


