お悩み社長
以前、こちらの記事で「M&Aをしたいという会社がいるDMには気を付けましょう」という内容をお送りしました。
「貴社と資本提携したい」というDMは大抵ウソ、という事実
今でも変わらずこういうDMがたくさん世の中にばら撒かれているようですが、若干巧妙化してきています。
例えばこんな感じ。
・会社のコンタクトフォームに問合せてくる
・それっぽい買手の情報を載せて、具体的な提案ぽく見せてくる
・手書き風のレターが届く
・レターパックで届く
・消印のない手紙がポストに投函される
最後のはもうホラーですが。。(笑)
結論からいうと、高額な仲介手数料を取るための営業であることが多いので、何等かの返答をする(見込み客だと思われる)のは危ないです。
そんな中、M&Aいろは塾には日々いろいろな方からお問合せをいただくのですが、「手書き風の手紙が届いたんだけどこれはちゃんとした打診なの?」という質問もあったりします。
最近では技術も進歩しているので、ロボットに手書き風の手紙を書かせることも可能になっているのですが、今日はそんな話題を取り上げてみたいと思います。
それではいきましょう!
手書き風のDMの実態とは
以前、「FNNプライムオンライン」でこのような記事がありました。
参考 「丁寧な手紙に感謝」ロボット代筆の“手書き風”DM 非対面の営業ツールとして大盛況【福井発】(外部サイト)FNNプライムオンライン
手書き風のDMをロボットに書かせようという発想で技術を開発した会社への取材記事ですが、率直にすごいですね。
筆者としては「いよいよここまで来たのか」と感じました。
普通のプリンタで印刷した綺麗な体裁のDMよりも手書きのDMの方が、開封率が高く、その後の成果に繋がりやすいということは昔から言われているので、営業会社が手書きのDMを使っているということは結構ありました。
(一説では、字が汚ければ汚いほど読んでもらえる、なんて意見もあります笑)
手書きだと、
「せっかく手書きでお手紙くださったんだから何かお返事しないと」
「ウチだけに送ってくれてるのかな」
と思ってしまう人が何らかの返信をする可能性が考えられます。
こういった手書きDMも、昔は手書き職人みたいな人に外注するケースが多かったんですが、今はロボットでやれちゃうみたいです。
ロボットでできるということは、低価格で量産化が可能になるので、数百通とか数千通を一気に送るM&A業者にとっても使いやすい感じになってきているということにもなるわけですね。
「返した方がいい?」量産DMの見抜き方
不特定多数に出しているM&AしませんかDMは不要、という方であれば、たとえ手書きであっても反応する必要はなく、他の不特定多数に送られてくるDMと同じ扱いで良いと思います。
ただDMの送り方にお金をかけてます、というだけですので。
では、その受取った手書きDMが、本当に誰かが心を込めて書いたものなのか、ロボットなどに書かせているものなのかを区別する方法について説明していきたいと思います。
同じ文字が全く同じ
ロボットで書いた文字は「同じ文字は全く同じ」です。
どういうことかというと、例えば「●●●株式会社」の「社」の文字と、「貴社」の「社」の文字が全く一緒ということです。
留め、とか、払い、とか全部同一です。
生身の人間が書いた場合、大体の筆跡は似たような感じにはなりますが、大きさや形まで全く一緒になることは普通無いです。
この辺を見て「ああ、ロボットが書いたんだな」と判断できます。
ただ、この点については、文字を事前に複数パターン用意するなど技術的には可能だと思われるので、文字が毎回違う、なんてパターンもあり得なくもないと思います。
筆圧が一定
手書きの手紙って、手紙のウラが筆圧でボコボコしていたりもします。
書いている人の力加減が変わったり、机の上の状態が変わったりとするんですが、ロボットの場合は常に一定の環境でサラサラ書いていくのこの変化が無いわけです。
あと、書いている人の手汗で紙が歪んだりとか、そういうこともありません。
何となく手書き風DMを手にして感じた違和感、「これって本当に誰かが書いてるの?」って違和感はそういうところだと思います。
内容がありきたり
こちらの記事でも紹介しましたが、「M&AしませんかDM」はこんな内容になっています。
資本提携しませんかというニセDMを解説(レター本文公開)
最近某M&A会社が大量にメールを送っている文章の中には、「お相手企業の概要」なんかが書いてあったりもしますが、これも似たようなものです。
手書き風で来ても、内容が同じような内容であれば量産DMと判断してよいと思います。
たまに外注(人)に書かせている正真正銘の手書きDMもあったりしますが、内容が一緒なら目的は変わりません。
そもそも、「本当に心を込めて内容のある文章を届けたい」と手書きで書くことを選ぶ業者であれば、既にこういう「M&AしませんかDM」が巷に溢れていることは理解してるでしょうし、内容もかなり具体的に書いてくるはずです。
そうじゃないなら、単に「手書き風DMなら開封率が上がるから」という理由で手書き風DMにしているということになります。
具体的の度合いについてはこんな点を意識してみてください。
・送り先の会社が何をしているかきちんと知っていて、M&Aをすることで何が見込めるのかが明確か
(送り先企業の●●という商品・サービスが、とか固有名詞を使わないと具体的とは言えません。量産DMの多くは「小売業で仕入ルートの共有、製版一貫した体制作り」とか抽象的な表現にとどまります)
・送り先の会社を買収したい動機が明記されているか
(何の因果関係があるかも分からないDMは怪しいです。そもそも直接打診が来るM&Aの場合は、既に取引先や知っている会社である可能性が高いためです。量産DMでは「地域に根付いたサービスを展開させたい」「優良企業を傘下に入れたい」とか曖昧な表現が多いです)
・条件が明記されているか
(量産DMの場合は、買収条件については「従業員雇用の継続」「社名継続」「個人保証解除」くらいの当たり前の内容しか書けません)
こういった見分け方を踏まえて、どう対応するのか考えていただければな、と思います。
いかがでしたでしょうか?
こういう営業手法を色々考えくるのはすごいなと思いますが、送られた側が困惑したり迷惑だと思うような営業はよくないと思います。
しょっちゅう「会社を売ってくれ」という手紙が届くと従業員も不安になりますからね。
M&Aを依頼するのであれば、変な下心を持って接してくる人より本当に信用できそうな人に自分からお願いするのが良いと思いますので、自ら色々な情報を取りに行って欲しいなと思う次第です。
こちらの記事なども参考にしていただければと思います。
「高額なM&A仲介手数料を払いたくない売主オーナーが絶対知っておくべきこと」4選
最後までお読みいただきありがとうございました。