書籍「M&A仲介会社からの手紙は今すぐ捨てなさい」好評発売中

「インテグループって実際どうなの?」元大手M&A仲介コンサルが解説

インテグループからの営業を受けて、「インテグループってどんな会社だろう」と思っている中小企業オーナーも多いかもしれません。

 

筆者もM&A業界で長く仕事をしていますので、同業者という立場から実際の評判や特徴を解説します。

 

インテグループとはどんな会社?

 

筆者はそれなりにM&A業界にいますが、インテグループはM&A業界では古参の会社という印象をもっています。

 

大手仲介会社というより中堅仲介会社ではありますが、地道にM&Aに携わっているイメージでしょうか。

 

現在では上場も果たしており、今後も拡大することを目指しているようです。

 

その昔、インテグループは、Web系に強かったのかは分かりませんが、M&A会社を検索すると割と上位表示される仲介会社でもありました。

 

ただ、一時からM&A総合研究所などがM&A関連の記事を量産する中でWeb上での存在感は少し薄れていった印象が筆者にはあります。

 

それでも、現在独自の情報サイトなどは自社メディアとして運営しており、「PEファンド.JP」というサイトはPEファンドが網羅的に調べられるサイトとして一定の認知度があります。

 

筆者の知り合いのコンサルタントでもインテグループに転職した人も何人かいますが、中には、M&Aコンサルとしても営業マンとしても優秀だなと思う人も転職していった記憶があります。

 

とはいえ、筆者の知っているコンサルでそれほど経験を積んでいない人も転職していたり、未経験者採用もあるようなので、担当者によってレベル感に差はあるように思います。

 

ちなみに「インテグループ」という名前ですが、複数の会社が集まっているようないわゆるホールディングスみたいな意味ではないです。

 

また、同業間ではインテと略されて呼ばれたりもします。

 

 

インテグループのポジショニング

 

インテグループの特徴としては以下のようなことが言えます。

・他の上場仲介よりも小規模な案件も手掛ける
・担当コンサルが売手も買手も一気通貫で対応する
・コンサルへのインセンティブ率が高い

 

小規模な案件といっても範囲は広く、この会社の定義としては年商10億円未満であればこの範囲に入るようです。
(筆者は年商数億円ともあれば小規模とは言わないんですが、この定義は会社それぞれ異なります)

 

とはいえ、インテグループの最低報酬額(1,500万円)を考えると、あまり規模の小さい会社・事業の場合だと手数料負担が重いことも考えられますので、年商数億円という規模感がメインターゲットの料金設定のようにも思います。

 

他の上場会社との比較という意味では、最低報酬額2,000万円以上徴収する日本M&AセンターやM&AキャピタルパートナーズやM&A総合研究所などよりは、案件規模・手数料が低めではあるものの、小規模案件でも断らないとアピールするジャパンM&Aソリューションの設定する最低報酬額500万円よりも案件規模・手数料は1段、2段高い、というポジションです。

 

実はインテグループも最低報酬500万円という時代もありましたが、各社が最低報酬額を上げる中で上がっていったように思います。

 

そして小規模案件を手掛けますという仲介会社でよくあるのは売手も買手も同じコンサルが担当するという体制です。

 

これは、小規模案件も手がけつつ売上も利益も確保することを考えると、売手と買手で担当を分けるということが非効率でもあるからです。

 

売手からすると色々なコンサルが関与してくれる方が心強いと思うかもしれませんが、実際M&Aを進めてみると、売手担当には伝えたのに買手担当・買手には伝わっておらず交渉相手である買手とコミュニケーションミスが起こる、売手担当はやる気あるのに買手担当がサボったことで全然買手を連れてこない、みたいな弊害が結構起こります。

 

働いているコンサルからすると、案件の細かいところまで隅々キャッチアップするだけでそれなりに工数かかるので、ちょっとだけこっちの案件、ちょっとだけあっちの案件に関与するというだけで膨大な工数がかかることもあるため組織として効率が良くないです。

 

筆者も自分の会社で仲介をするときには売手も買手も筆者が直接やり取りしますが、この方が対応スピードや問題解決の質が格段に上がると感じます。

 

インテグループは業界内では高いインセンティブ率として知られており、最大40%程度とも耳にします。売手・買手の手数料合計が3,000万円なら1,200万円が成約による個人インセンティブになります。

 

案件規模が小さくなると手数料も小さくなりインセンティブも小さくなるのが仲介業ですが、求職者からするとインセンティブ率の高さと数をこなすということで他大手仲介と同等以上に稼げるという会社の位置づけかもしれません。

 

とはいえ、インセンティブ率が高いと会社に残る利益は減るので、会社として収益を上げる観点でいくとその分案件成約数を増やすという話になりがちなので、今後どういうバランスで事業規模を拡大するのかは注目だと思います。

 

売主がインテグループを見る際には、担当コンサルが案件を他にも担当先を持ちすぎていないか、担当コンサル自身が(社内に会計士がいるとかではなく)買手とも的確に会話できるだけの会計・法律などの知識がありロジカルに会話できるタイプか、その担当コンサルを通じて買手が何をいっているか理解できそうか(言語化が得意か、温度感や微妙なニュアンスを適切に伝えられるか)などについて注目するのがよいかもしれません。

 

インテグループの手数料について

 

インテグループの手数料は、中小企業庁の登録支援機関データベースで公表されている情報(2026年7月8日時点)では以下となっているようです。

【譲渡側手数料】
・着手金:無料
・中間金:無料
・月額報酬:無料

・成功報酬:株価レーマン方式で計算
・最低報酬額:1,500万円(税別)

 

完全成功報酬なのでM&Aしなければ手数料がかからないという点は使いやすい印象があります。

 

また、成功報酬については最終契約締結時ではなく、M&A実行時と同社ホームページに記載があるのでその点も親切かなと思います。

 

一方で最低報酬額は1,500万円ということですので、これを許容できるかはきちんと他社の手数料とも比較検討したほうがいいかなと思います。

 

譲渡額別のシミュレーション

 

インテグループへ依頼した場合、譲渡金額別の手数料総額は以下のように計算できます。

5,000万円で譲渡:1,500万円の手数料
1億円で譲渡:1,500万円の手数料
2億円で譲渡:1,500万円の手数料
3億円で譲渡:1,500万円の手数料
4億円で譲渡:2,000万円の手数料
5億円で譲渡:2,500万円の手数料
10億円で譲渡:4,500万円の手数料
20億円で譲渡:7,500万円の手数料
※いずれも税別

 

最低報酬額が1,500万円ということですので、いくらでM&Aを成立させたとしても最低で1,500万円の手数料が発生するということです。

 

最低報酬金額の業界標準

M&A仲介業を行う業者の最低報酬額の設定額は以前、中小企業庁から以下の分布図が公表されていました。

 

M&A仲介手数料の最低報酬額分布

引用:「M&A支援機関登録制度実績報告等について」(令和5年3月16日)

 

この分布図を見る限り、かなり仲介会社によって設定額が異なり、最低報酬額のボリュームゾーンとしては500万~1,000万円程度とみることができます。

 

 

インテグループは問題のある会社?

 

インテグループについては、これまで中小企業庁のM&A支援機関の登録を解除されたという旨の公表もなく、実名での処分というのは筆者が知る限りではありません。

 

一点、同社は2024年の取材において、後に問題が判明した買手との仲介案件が1件あったことを認めています。

 

ここでいう問題のある買手というのは、M&A後も売主の金融個人保証を解除させず資金を抜き取る買手を指します。このあたりの事件について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考ください。

ルシアンホールディングスのM&A詐欺?手法とその対策

 

この内容を踏まえると、問題のある買手との仲介にインテグループも関わったことがあるというように読めます。

 

インテグループとしてももらい事故だった可能性もありますが、買手探索の仕方やスクリーニング方法について改善しているのかは気に留めたほうがよいかと思います。

 

一方、DMや電話による営業がしつこいという声もあるようです。

 

これはインテグループに限った話ではないですが、案件の調達ルート(ソーシングルート)を直接営業により獲得しているという会社はこういうクレームが増えやすい傾向にあります。

 

とはいえ、案件獲得ができない仲介会社は売上も立たなくなるので、容易に営業しない体制にするということは難しいでしょう。

 

M&A仲介会社の営業についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

【営業電話してた側が解説】M&A仲介会社の”迷惑電話”は怪しい?目的を解説 【元大手M&Aコンサルが解説】「資本提携したい」というDMの実態とは?

 

 

結局、インテグループを使うべき?

 

インテグループを使うべきかどうかについて、あくまで筆者の考えにはなりますが、担当となるコンサルが良ければ利用するのもよいですが、初めてのM&Aなのであれば他の仲介会社も比較し、可能ならもう1社~2社を非選任で仲介依頼することをお勧めします。

 

理由としては、インテグループの最低報酬額は1,500万円と、上場仲介の中では安い方かもしれませんが、M&A支援機関全体からするともっと安い仲介会社は他にもたくさんあり、コンサルの質との兼ね合いでいえば比較せずに1社専任はもったいない可能性があるからです。

 

最低報酬2,500万円の大手仲介会社の担当コンサルより、最低報酬1,500万円のインテグループの担当コンサルの方が優秀であることも普通にあると思いますが、同時に、もっと最低報酬額が安い仲介会社でも優秀なコンサルはたくさんいます。

 

複数の仲介会社に依頼するデメリットとしては、売手から仲介会社に資料提出する手間が増えたり、情報管理も煩雑になることはありますが、仲介会社間で打診したい買手が被るようなことが起こった場合には、売手がどの仲介会社にどの買手を打診できるか選択権があるという裁量が増えます。

 

これはつまり、同じ買手候補であればできるだけ仲介手数料の安い仲介会社を通じてアプローチできることでもあるので、うまく使えば売手に経済的なメリットが出ます。

 

また、着手金などが発生するような仲介会社を選ばなければ、タダでディール進行におけるセカンドオピニオンを得ることにもつながるので、前述の売手が被害者となる詐欺などについて未然に違和感を感じる機会も得られるかもしれません。

 

インテグループについては業歴も長い会社ではありますが、仲介会社の質は担当コンサルの質だと思いますので、実際に比較することをお勧めします。

 

 

 

ご参考いただければ幸いです。

 

最後まで読んでいただき有難うございました。

 

 

M&Aに関する素朴な疑問や、M&Aを進める上で不安なことがありましたら下のボックスから筆者に非公開で質問もできますので是非ご活用下さい。

お問合せ

    お名前任意

    メールアドレス必須

    お問合せ内容必須

    スパムメール防止のため、こちらにチェックを入れてから送信してください。