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「ファンドブックからの営業電話は迷惑?」元大手M&Aコンサルが解説

 

「ファンドブックからM&Aの営業されてるんだけどどんな会社だろう」

 

そう思って検索された方もいるかもしれません。

 

筆者は長年M&A業界にいますが、ファンドブックは良くも悪くも業界では昔から話題になることが多かった会社という印象です。

 

今回はファンドブックについて業界人目線で解説していきたいと思います。

 

単純に営業電話は迷惑なので減らしたい!と思っている方は以下の記事もご参考ください。

M&A迷惑電話を断る・減らす具体的な方法【受付担当者さんも必見】

 

 

ファンドブックとはどんな会社?

 

2017年8月に設立したM&A仲介会社で、バイセルの運営会社㈱BuySell Technologiesからスピンアウトをした会社のようです。2024年12月には㈱チェンジホールディングスに156億円で売却され、現在は㈱チェンジホールディングスの子会社として運営されています。

 

M&A仲介大手と比べるとかなり後発の会社でありながら、コンサルタントの大量採用と、積極的な営業活動で急成長した仲介会社です。

 

こういう記事も出るくらい成長著しい会社でもありました。

参考 日本M&Aセンターから大量移籍で急成長fundbook、M&A業界仁義なき人材争奪戦の深層

 

ただ、規模の拡大を目指している仲介会社は、だいたい社員にSO(ストックオプション)を配って、IPO目指そう、みたいな感じの方向性ではあったりするのですが、この会社が選んだのは第三者への売却ということでした。中小企業メインのこの規模の仲介会社のM&Aはあまり前例がないかと思います。

 

筆者がオーナーなら、M&A仲介業はそもそも売上が非常に読みにくいので、上場して株主からうるさく言われるくらいなら、第三者へのM&AでEXITするというのもアリだよな、と勝手ながら思ったりします。

 

なお、㈱チェンジホールディングス傘下に移ってからも、従来のM&A仲介は行っており、最近でも営業電話がかかってくる事例があるようです。

 

 

過去どんなことで話題になった?

 

上記でも触れていますが、一時期かなり積極的に同業からの転職者を採用していた時期があった会社かと思います。

 

筆者の中では、当時としては高いインセンティブということで話題になった記憶があります。

 

M&A業界では担当する案件が成約すると、その成功報酬の一部がコンサルタント個人に支払われるというインセンティブがあることも多いですが、このインセンティブ率は仲介会社によって違います。務めている仲介会社のインセンティブ率に不満を持ったり、もっと報酬が欲しいと思うコンサルタントは、このインセンティブ率の高い仲介会社を求めて転職する傾向がありますが、大々的に人が移動していた印象としてこの会社は強めでした。

 

現在では未経験採用などもあり、入社後育てるということもしているようで、インセンティブが相対的に高いかはわかりません。

 

また、SNSでは、2020~2021年頃、同社で業績悪化を受けた組織再編や人員整理、内定取り消し・退職に関する口コミが複数の転職サイトに投稿されており、「コールセンター運営」の元社員も人員整理に言及して話題になったこともあります。

 

もっとも、これらは個人の口コミであり、会社が事実として認めたものではなく、筆者も真偽のほどはわかりません。

 

とはいえ、筆者が多くの売主に話を聞く中では、直接電話をするような営業に積極的であったのかなとは思います。

 

筆者の個人的な印象では、昔働いていた仲介会社在籍中に、関東の人材派遣会社案件でしたがファンドブックとコンペになったこともありますが、同じくコンペになっていた仲介会社の中で突出して高い株価査定を売主に出されていたことは少し気になりました。

 

ファンドブックがそうであるとは限りませんが、売主の中には高い株価査定を出す仲介会社に依頼する方も少なくないため仲介会社が恣意的な株価査定を出すインセンティブはあるわけですが、譲渡条件について期待値が高くなりすぎると結果的に売れないということにもなるので、仲介会社は実際の成約事例や相場観も踏まえて株価査定するのがよいかなと筆者は思います。

 

 

ファンドブックの手数料について

 

ファンドブックの手数料は、中小企業庁の登録支援機関データベースで公表されている情報(2026年8月3日時点)では以下となっているようです。

【譲渡側手数料】
・着手金:無料
・中間金:有(基本合意締結時)
・月額報酬:無料

・成功報酬:移動総資産レーマン方式で計算
・最低報酬額:2,500万円(税別)
※中間金は成功報酬に含む

 

2026年8月3日時点の同社ホームページの記載では、「M&A成約まで無料」「お客様との合意により中間報酬が発生する契約形態を選択する場合があります。」と記載があるので、中間金がかかるかどうかは必ず確認したほうがよいと思います。

 

また、ホームページを見る限り、成約時に成功報酬が発生する記載になっている点も筆者は少し気になります。

 

実は、大手仲介会社に多いのですが、「実際に譲渡をするクロージング時点」ではなく「最終契約(株式譲渡契約や事業譲渡契約など)を締結した時点」に手数料発生のトリガーが設定されている仲介会社も存在します。

 

最終契約では「〇〇という前提条件をクリアしてクロージングね」という取決めがされることも少なくなく、仮に前提条件がクリアできなかった場合は、最終契約を締結したけどクロージングできないということも実務的にはあり得ます。

 

クロージングにお金が入ってくるのにそれが入ってこず、仲介手数料だけ払わないといけない、となるとかなり売主としては痛いので、成功報酬の発生基準・支払い時期は確認しましょう。

 

あと、移動総資産レーマンの場合は、負債が大きい会社だと不利なことが多いので、依頼前に手数料は計算して他の計算方式とも比較しましょう。

 

譲渡額別のシミュレーション

 

ファンドブックへ依頼した場合、譲渡金額別の手数料総額は以下のように計算できます。

移動総資産5,000万円の譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産1億円で譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産2億円で譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産3億円で譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産4億円で譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産5億円で譲渡:2,500万円の手数料
移動総資産10億円で譲渡:4,500万円の手数料
移動総資産20億円で譲渡:7,500万円の手数料
※いずれも税別

 

最低報酬額が2,500万円ということですので、いくらでM&Aを成立させたとしても最低で2,500万円の手数料が発生するため、移動総資産が5億円に達しない場合は特に他社とも手数料比較するのがよいかと思います。

 

最低報酬金額の業界標準

M&A仲介業を行う業者の最低報酬額の設定額は以前、中小企業庁から以下の分布図が公表されていました。

 

M&A仲介手数料の最低報酬額分布

引用:「M&A支援機関登録制度実績報告等について」(令和5年3月16日)

 

この分布図を見る限り、かなり仲介会社によって設定額が異なり、最低報酬額のボリュームゾーンとしては500万~1,000万円程度とみることができます。

 

 

ファンドブックは問題のある会社?

 

筆者が調べた中では、ファンドブックについては事件に発展するような問題に関与したというような情報はありませんでした。

 

昨今M&A業界では、以前以下のような記事でご紹介した、売主が詐欺に遭ってしまうM&A詐欺に巻き込まれてしまう事例が発生しています。

ルシアンホールディングスのM&A詐欺?手法とその対策

 

M&A仲介会社がこうした事件に加担している場合には、中小企業庁から処分を下されるケースもあり、実名でその事実が公表されることもあります。

 

他の仲介会社も利用する前には必ずこうした処分を受けていないか確認しましょう。問題を起こした仲介会社でないかを知る他、処分を受けている仲介会社を使うことでM&A補助金といった売主にとってもメリットのある補助金が使えなくなってしまうこともあるので要注意です。

 

一方、営業電話については「迷惑だった」という口コミも一定数見られます。

 

コンサルタントを増やし、電話やDMを駆使して顧客にアプローチする営業手法は、場合によって相手方に迷惑とか怪しいという印象を抱かせることもあります。

 

M&A仲介が怪しいとか、ヤバいといった理由についてはこちらの記事もご参考ください。

M&A仲介会社は怪しい?ヤバい?安全な見分け方【現場目線で解説】

 

 

結局、ファンドブックは使うべき?

 

M&Aをする際に、ファンドブックに仲介を依頼するのはどうか筆者の考えとしては以下の通りです。

・接点を持った担当者が経験も能力も有るなと思えば利用するのもよい
・ただし、最低報酬額がもっと低い仲介会社もたくさんあるので比較すること
・仲介会社は複数使うのもアリ
・負債が大きい会社は総資産レーマンは不利なので株価レーマンなども探してみる

 

M&Aはかなり担当コンサルタントの能力や経験次第で結末が変わることも多いので、会社で選ぶというより担当者で選ぶほうが間違いないと筆者は思います(もちろん担当がコロコロ変わらない前提で)。

 

また、M&Aを進めるときに、仲介会社は1社だけでないといけないというルールはありません。

 

仲介契約や業務委託契約にいわゆる「専任条項」がなければ何社でも依頼してOKです。

 

同じ買手にアプローチするなら仲介手数料の安い仲介会社を通したほうが手残りが多くなる可能性があるという仕組みもあるので、筆者が売主で仲介を使う前提なら、少し裏技的ですが複数の仲介会社に買手候補先リストを出してもらい、候補先が被った場合は、一番仲介手数料の安い仲介会社に打診させるという方法をとります。

 

どの仲介会社でも候補先として挙げられるようなストロングバイヤーへは、一番安いコストでアプローチできるからです。

 

とはいえ、ここまでしなくとも、初めてM&Aをするのであればセカンドオピニオン的に複数の仲介会社に声をかけるというのは損ではないのでお勧めします。少なくとも担当者は複数比較しないとどのコンサルが良いか判断できないためです。

 

筆者ならファンドブックを最初から候補から外すことはしません。ただ、2,500万円という最低報酬額を考えると、比較対象を作らずにそのまま依頼することもしません。という感じでしょうか。

 

 

最後まで読んでいただき有難うございました。

 

M&Aに関する素朴な疑問や、M&Aを進める上で不安なことがありましたら下のボックスから筆者に非公開で質問もできますので是非ご活用下さい。

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